第5章 職場に行けなくなるまで
【人事異動】
職場に行けなくなる4ヶ月前。
入職2年目の3月。人事異動が正式に発表された。
異動者は、課長・Aさん・Wさん。
Wさん、ためになる情報を教えていただきありがとうございました。(第3章【学歴】参照)
Aさんは、役場の花形である総務課に異動できるということで上機嫌だった。
そのまま偉い人への道を突っ走るのだろうか。(第2章【仕事をもらえなかった日①】参照)
そして、入職初日に迎えに来なかった課長。
朝礼で「仕事のことはわかりません!」と公言。肝心な時は休んでばかり。
「どうしようもない」の一言に尽きる課長だったけれども、意外と異動前は友好的な関係だった。
カチンとくる小言を言う人ではあったけれども、私に対するパワハラの波には乗っていない。
お昼休みに、課長は事務所のテレビで朝ドラの再放送を見る。
珍しくこの時期のドラマに興味があった私は、テレビに食いついていた。すると、急に課長と距離が縮まった。
昼休みになると、課長と私は朝ドラ仲間になる。
歳が離れすぎてる父と成人した娘のような雰囲気でああでもない、こうでもないと感想を言い合いながらテレビを見た。
こんな何気ないオフィスの風景なのに、私にとってはとてつもなくいい思い出に感じてしまう。
課長、定年まであと少しだね。きっといつものスタンスで行くんだろうけども、頑張ってね。
なんて心の中で言いながら、課長を見送った。
課長が異動したら4月から代わりに就任する課長がいる。
シン・課長とでも呼んでおこうか。
シン・課長。それは課長補佐だった。課長補佐から課長に出世したのである。
課長補佐が課長になり、代わりの課長補佐が異動してくる。
この人も、シン・課長補佐と呼ぼう。
シン・課長補佐は副主幹と図書館係長も兼務していた。
実は、このシン・課長補佐は以前からいい噂を聞かなかった。嫌がらせ行為を頻繁に行う人物らしい。
実は、Rさんの休職(第3章【休職者の処遇】参照)の原因になった人物である。
Rさんは、「憂鬱だなぁ。」とぼやいていた。
Bさんも以前、シン・課長補佐と仕事をしたことがある。「もう一緒に仕事したくない」と言うほどに嫌な思いをしたらしい。
「あなたもなかなかですよ。」と言いたくなるBさんがそう言うのだから、相当な人物なのだろう。
悪い評判ばかり聞こえるシン・課長補佐。
そして、昇進したばかりのシン・課長。
この2人の組み合わせによって、事務所内はますます悪しき方向へと進んで行った。
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