【他課への決裁】
決裁を仰ぐための伺い文書は、課内だけでなく他課にも持っていくことがある。
他課が管理している場所をイベントで使いたい時など、他課の協力が必要な時に担当者のところに直接行って、ハンコをもらいに行く。
難しいことを聞かれないかな?
ハンコはもらえるかな?
他課への決裁はけっこう緊張する。
しかし、意外にも皆さん、1〜2年目の職員にはけっこう優しかった。
簡単な質問をして「うん、わかった。」とハンコを押す某課の主査。
何も質問することなく、「うん、いいよいいよ。」と早々にハンコを押す某課の課長補佐。
教育長への決裁より何万倍も楽ではないか。
税務課にはよく顔を出していたので、男性の主査に顔を覚えられていた。その主査は笑いながらよく難しい質問をしてくる。
でも、事務所の人たちがよくやる意地悪なニヤニヤとした笑い方ではない。
だから、質問に答えられなかったら、私はわざと悔しそうな顔をして「、、、すみませ〜ん。」と答える。
その度に、主査は噴き出して「こうやって説明すればいいんだよ。」と教えてくれた。
主査さん、たまに説明してくれた後に「頑張れよ!神山。」って言ってくれたなぁ。当時は、この主査さんのように親切にしてくれた人のこともすぐに忘れてしまっていたよ。
他課への決裁は案外すんなりと進むし、心が温かくなることもあった。
しかし、1回だけ散々な目に遭ったことがある。
詳しくは言えないのだが、某課が管理しているある物を支給してもらいたくて決裁をもらいに行った。
この件で決裁に行くのは初めてだったけれども、毎年1回は決裁を取りに行っているとのことですんなり終わるだろうと思っていた。
しかし、どうやら今回、決裁を取りに行く主査は今までと違う人らしい。私はその人の情報を一切耳にしたことがない。
例年、実施していることでそちらの課で管理しているブツを支給して欲しい旨を説明した。
次の瞬間、その方は決裁盤を机の上に「バン!」と置いて、
「お前ら好き放題言ってるけどよ〜!○△※■○△※■▲、、、、、」といきなり怒鳴り始めた。
初めて会った人に怒鳴られたことなんてなかったので、びっくりしすぎて言ってることが頭に入ってこない。
課長補佐に怒鳴られた時のように倒れはしなかった(第2章【倒れた①・②・③】参照)けども、こめかみから汗が出る。
怒鳴っている主査の隣の席にはGさんが座っている。楽しそうにこちらを見ている。
場の収集方法がわからないまま、黙ることしかできなかった。
すると、気が済むまで怒鳴ったのか主査は決裁のハンコを押して、ブツを保管している場所のカギを乱暴に渡してきた。
ブツを取りに行き、主査にカギを返しに行くと無視された。
それ以来、その主査と役場庁舎ですれ違って挨拶しても無視され続けた。
事務所でも、管理課でも、同期にも攻撃される。そして、今度はこの主査にも無視されている。
私の居場所は、この組織にないのかな?
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