【臨時職員】

会計年度任用職員と呼ばれる、官公庁で非正規雇用で働く職員がいる。私が町役場にいる時は、臨時職員と呼ばれていた。


臨時職員の仕事内容は様々である。

机に向かう事務仕事、施設の受付係、放課後子ども教室の見守り役。

他にもいろんな種類の仕事があって、多岐にわたる。


私がいた事務所の臨時職員は、以下の仕事をしていた。


Eさんは公民館の施設管理兼イベントの補助やチラシ作成など。

Fさんは事務仕事兼イベントの補助や正職員へのお茶出しなど。


臨時職員は正職員の補助役をすることが多い。役場庁舎で仲がいい臨時職員の方がいて、その方は正職員のサポートに徹していた。


しかし、正職員のように異動がないために、課内の誰よりも仕事を熟知している臨時職員もいる。

公民館の臨時職員は、このタイプだった。


誰よりも仕事をわかっている臨時職員は、職場のおさにもなれる。


管理職や異動したばかりの正職員にも強気な態度になる。

新卒の職員は、さらに強い物言いをされる。


Eさんには、ことあるごとに嫌味を言われた記憶しかない。


「自分より上の正職員なのに、こんなこともできないの?」とよく言われた。


Fさんは同じ女性なので、話しやすい。

しかし、入職してしばらく経つと、仕事を押し付けられることもあった。


突然、「職員へのお茶出しやってよ。」と言われた時は驚いた。

しかし、新卒の私に断る度胸はなかったので、引き受けるしかない。


しかし、仕事が忙しくなってお茶出しに手が回らなくなった。

Aさんが「飲み物はセルフサービスにしよう。」と提案してくれて、やっとお茶出しから解放された。

この時ばかりは、Aさんに感謝した。


またある時、正職員全員がいつもFさんに依頼している仕事がある。

私も依頼したところ、「神山さんは自分でやって。」と言われてしまった。


Fさんから見て、私は他の正職員とは何か違うモノに見えるらしい。

それ以来、Fさんに依頼することなく自分でやるしかなかった。


正職員と臨時職員の関係はなかなか難しい。
































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る