【初めて泣いた日①】

入職3ヶ月目の6月。ちょうどBさんたちの楽しみが本格的に始動した頃。


私は社会人になって初めて泣いた。


社会教育課が毎月発行する広報誌を初めて担当することになった(担当は月毎に持ち回り制)。

この広報誌は町報をはじめとした町政事務文書の一部として町内全戸に配布されるモノである。

公民館や他の社会教育関連の施設で開催される行事の広告や開催報告が掲載されていた。


広報誌作成の手順は以下の通り。


①各行事の担当者に掲載したい広告や開催報告があれば文章を作成してデータを私のメールアドレスに送ってもらうように、課内メールで依頼。


②送られてきたデータを自分でコマ割りをしてコマに当てはまるように編集。


③編集して完成させた後は1部だけ印刷して全員に回覧して決裁。


④全員からOKの印鑑がもらえれば、印刷機で大量印刷。


⑤印刷物を手の空いてるいる数人で編纂。


⑥完成したものを町政事務文書担当の総務課に持っていく。


①から④は問題なく進んだ。

というより、決裁もOKがもらえたのだからと問題ないだろうと思いながら作業を進めていた。


しかし、初めてだとなかなか完璧にはいかないものだ。

行事の日にちを間違えて、印刷したものを全部修正しなくてはならないとか。

掲載し忘れた文書があったとか。

そんなミスはなかったんだけども。

小さな細か〜いミスがいくつかあったのだ。


⑤の事務所から離れた会議室で行われた編纂作業。

メンバーは、私・Cさん・図書担当の主査・EB


BさんとEさんが揃うと何が起こるか想像できるだろう。

再現すると以下の通りになる。


Bさん「あ、神山さん、最後のページの課の電話番号が書いてある欄、枠から電話番号はみ出てるよ〜。」

(毎月同じエクセルデータを使い回していたため、油断してしまい、編集過程で電話番号が枠からはみ出ているのを見逃してしまった。)


(追い打ちをかけるようにすかさず)


Bさん「あ、ここも間違ってる、あ、ここも〜。」

※この辺は細かすぎて記憶に残らないミス。覚えていたい記憶じゃないから海馬にも残ってない。


Bさんが喋る度に、


Eさん「ほんとだぁ。フフフフフフ」


と笑い声が聞こえる。


そして、(私にとっては)極め付け


Bさん「これ全戸に配られるんだよ〜。クレームとか入っても知らないから〜(笑)」


私はパニックに陥り、「どうしよう、どうしよう」と心の中で繰り返し、不安でいっぱいの表情をしていた。


そんな私に追い打ちだったのが、その場にいた全員が「フフフフフフ」と笑ったことである。


普段は親切にしてくれる図書担当の主査さんまで笑うとは。これが1番ショックだった。





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