【いるだけで疲れてしまう】
事務所は施設管理・町民向けのイベント・生涯学習系を合わせたチームと図書館担当のチームに分かれていた。
私は生涯学習系の業務を担当することになり、席は前者にあった。
私の島には課長・課長補佐・副主幹・主査のAさんとBさん・主任のCさん・同期のDくん・私・臨時職員(現在の会計年度任用職員)の Eさん・Fさんの席が並んでいた。
私とFさん以外は全員男性だった。
私は生涯学習担当のCさんの下で仕事をすることになった。
AさんとBさんは第一印象からサバサバして怖そうだったが、Cさんは物言いが穏やかで、正直ホッとした。
ホッとしたのも束の間。
やることがなさすぎて気まずい。
BさんとCさんは10歳以上年齢が離れているが、私たちに親しく話しかけてくれた。
それでも、「新卒にいきなり振る仕事が見つからなくて困った。」と言って、仕事の合間に雑談をする程度だった。
EさんとFさんとエクセルの練習をしたり、雑談したりするけれども間が持たない。
何もわからないから自分から何を話せばいいのかわからない。
周りの人から何を話しかけられるのかと緊張しながら待つだけ。
元々緊張しやすい性格のため、職場での8時間が常に体をこわばらせてしまっていた。
無駄に疲労を感じるため、お昼ご飯の段階でもうグッタリ。
入職してから1ヶ月間は、ずっと椅子に座って何もしていないのに上からかなり重たいおもりがのしかかってくるような日々だった。
私はこの状態がいたたまれなくなり、Cさんと廊下ですれ違った時に
「雑用でもいいので仕事をください。」
と言ってしまった。
Cさんは驚いたような、気合の入りすぎてる私に少し呆れたような反応を示しながらも郵便を送る仕事をくれた。
この時は【いるだけで疲れてしまう】現象から逃げたくて、仕事することしか考えていなかった。
そして、これから起こる嫌なこと全てから逃げたくて、ますます仕事することしか考えなくなるのであった。
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