【《身の丈に合った》とは何か③】
《身の丈に合った》選択をした人は人を思いやれる心の持ち主ではなかろうか。
先ほどから紹介している友人たちは、穏やかな性格で人の気持ちを考えて行動できる人たちだった。
自分の持っているモノを基準に物事を選んでいるから無理をしすぎていない。
だから、自分だけではなく人を思いやる余裕も出てくるのだろう。
大学の時は彼女たちと一緒にいるのが心地よかった。
授業が終われば講義室の前で輪になって話し込んで笑って。
近くのご飯屋さんに晩ごはんを食べに行って話し込んで笑って。
たまには授業をサボって昼ごはんも食べに行って(笑)
学生が常連の居酒屋や誰かの家に集まっては楽しい酒を飲んで笑って。
しまいには誰かのアパートで雑魚寝して。
そんな楽しい大学生活を送れたのは彼女たちをはじめとした友人たちのお陰だと思う。
卒業してからも付き合いがあるのはそのためだ。
大学4年の11月に地元の町役場から内定をもらった。
その後は、卒業論文を仕上げながら友人たちと残り少ない時間を過ごした。
その間、「このありがたすぎる友人たちと離れたくない」と何度も思った。
でも、時は止まることなく進んでいく。
とうとう、卒業式の日が来てしまった。
朝早く起きて女子たちは同じ業者さんに着付けしてもらった。
式の前と後はデジカメで写真を撮りまくった。
撮りたいだけ記念撮影したら、仲間たちみんなで授業帰りによく行ったご飯屋さんに集まった。
「寂しいね」という単語は出たものの、いつも通りに他愛もない話をして笑って笑って。
「この時間がずっと続けばいいのにな。」と心から思った。
楽しい時間もとうとう終わってしまい店を出て、「バイバイ」とブンブン手を振った。
友人たちに別れを告げて、私は地元へ帰ったのである。
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