第90話:コヒメとおそろい

「いっぱい買ってくれて、ありがとうなんだよ!」

リーゼロッテの下着を3セット買っただけじゃない。

水玉のと肉球のと猫ちゃんのと・・・


さあ、次よ次!服を買いに行くわよ。

何か気になった服はあった?

「コヒメが着ている服はどこで買ったんだよ?」

これはここで買ったんじゃないのよ。

別のお店で作ってもらったの。でも、出来上がるのに時間がかかるのよ・・・

「ここは出来上がった服が売ってるんだよ?」

まあ、こっちの世界では普通は出来上がった服を買うのよ。

「コヒメとおそろいの服にしたいんだよ!」

なるほど、せっかく同じ姿なんだから服も同じにしましょう!


「赤と白の服が多いね。大人気なんだよ?」

ああ、今の季節のイベントの服よ。

どこのお店でも店員さんが来てるでしょ?

でも、本当はおじいさんの用の服なんだけどね・・・

「おじいさんなんて人形くらいしかないんだよ?」

まあ、ほとんどは若い女の子が着てるからね。


なるほど、サンタ服か。悪くはないわね。

色々なお店で売ってるけど、どれがいい?

「うーん、色々あって迷っちゃうんだよ?」

気になるお店があったら試着してみましょう!

「そうだね、あんまりお子様用の服がないんだよ・・・」

向こうのお店なんかどう?子供用もあるみたいよ?


「おおー!かわいい服がたくさんあるんだよ!」

うんうん、いい感じじゃない。

「でも、ちょっとスカートが短いと思うんだよ?」

そーお?

こんなもんじゃない?

とりあえず試着ね!

「この服はかわいくて気に入ったんだよ!」

こうして二人で着てると双子みたいね。

よし、買いましょう!

このまま着ていくから、タグとか取っちゃって。


「こうやってグルグル回るとどっちかわからないと思うんだよ?」

リーゼロッテと腕を組んでグルグル回る。

おそらく外見は完全に一致。


よーし、次はご飯よ!

フードコートに行ってみましょう!

「ここはなんなんだよ!?」

フードコートよ。いろいろな食べ物のお店が集まってるのよ!

まあ、露店が集まってるようなものよ。

「見たこともない食べ物もあるんだよ・・・」

それよりも見たことある食べ物の多さにびっくりよ・・・

どんだけ向こうの世界で再現してるのよ?

「見つけた食べ物は大概メイドさんたちが再現してくれるんだよ?」

でも、見た目が似てても味が違うのもあるかもよ?

「それもそうなんだよ!」


つけ麺は食べたことある?

「つけめん?」

このお店で売ってるやつよ。

「ラーメンとは違うんだよ?ざるそばみたいな感じ?」

そうね、ラーメンがかけそばならつけ麺は盛りそば的な感じよ!

「このおつゆにつけて食べるんだよ?」

そうよ。これも結構おいしいのよ!

「もちろん色んな種類がある感じなんだよ?」

お店によってもだいぶ違うわ。

「私はとりあえず、オススメで量は少なめでお願いなんだよ!」

注文した後に渡されたアラームを受け取って戸惑ってるわね?

「これは食べ物じゃないんだよ?」

席で待ってると出来上がったときに教えてくれるのよ。

「なるほど、そういう魔導具なんだよ」

魔導具ではないけど、まあいいか。


ぶーぶぶぶぶーぶーぶぶぶぶー


「おお!音が鳴って震えたんだよ!」

それをもってさっきのお店に行くと引き換えに食べ物がもらえるのよ。

「おいしそうなんだよ・・・」

先に食べてていいわよ?


ぶーぶぶぶぶーぶーぶぶぶぶー


「ココヒメのも鳴ったんだよ」

取りに行ってくるわね。

「コヒメのは色が違うんだよ?」

リーゼロッテはオススメで頼んだから、醤油味でしょ?

だからあたしは味噌味にしてみたのよ。味を比べられるでしょ?

「そっちのもおいしいね。もしかしなくても他の味もあるんだよ?豚骨とか・・・」

ここのお店だと、あとは辛いやつね。

「辛いのはお口が痛くなるんだよ・・・」

でも、他のお店には別の味もあると思うわよ?

「ところで、別のお皿に乗ってるそれは何なんだよ?」

これは餃子だけど・・・ラーメンを知ってるのに餃子は知らないの?

「これは初めて見たんだよ・・・」


ズンドコズンドコ・・・ポテポテポテポテ・・・


「ん?また何か鳴ってるんだよ?」

ああ、小麦からの連絡ね。

『先輩何やってるんすか?ネットで大人気急上昇中っすよ?』

(添付ファイル:イオンに美少女双子サンタ降臨)

え?何?どういうこと?

なんで、こんな写真が!?

『ヤフーニュースにも載ってるっすよ?』

バカな!?

慌ててニュースを確認すると、確かに記事がいくつも載っている。

「あー!これ私なんだよ!あれ?こっちが私?」

あたしにも区別はつかない。

赤いリボンと青いリボンとかで目印をつけるべきだった?

そんなことよりも、これって盗撮なんだよ!

「コヒメ、どうしたんだよ?」

なぜか、あたしたちが隠し撮りされてて小麦に仕事さぼってるのがバレた。

「一緒に謝ってあげるんだよ・・・」

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