第89話:悪いグレイス

知らない天井。ってコヒメのおうちなんだよ!

ペチンペチンしようと思ったけど、すでにヨシノは居ないね。

ハナコにペチンペチンしていると、アンドーが目を覚ましたんだよ。

「先輩は私がペチンペチンするっす!」

アンドーすでに手遅れなんだよ・・・

「さすがにこんなに騒いでいれば起きるわよ?」

さてと、朝ご飯は何かな?


「おはようございます」

今日はパンみたいだね。いい匂いがするんだよ。

トーストと目玉焼きと・・・これは何のスープ?

「これはホウレンソウのポタージュです」

スープの色が緑色なんだよ。

これ、おいしいんだよ!

ヨシノってお料理が上手なんだよ?


「お嬢様、行ってきます」

ヨシノとハナコはお出かけ?

「学校に行くのよ」

学校は作ったんだよ。読み書きとか計算とかを教えるところなんだよ。

「もっと難しいことを勉強するのよ」

魔法とか?

「この世界には魔法もスキルもないのよ?」

でも、私は使えるんだよ?

「そんな馬鹿な・・・でも、そういえばアイテムボックスを使ってたわね・・・」


コヒメは学校に行かないの?

「あたしは32歳よ?こう見えても大人なのよ?」

え?

ずるいんだよ。私と同じ見た目なのに大人なんだよ・・・

「じゃあ、私も行ってくるっす」

アンドーはどこに行くの?

「会社っす。先輩と同じ仕事っす」

コヒメは会社に行かないんだよ?

「あたしはおうちで仕事出来るのよ」

ズルなんだよ。ズルはよくないと思うんだよ・・・


「ズルっていうのはこういうことよ!」

着替えてるね。どこかにお出かけなんだよ?

「ドアの開け方がわからないか・・・」

馬車みたいで馬が居ないってことは魔導車みたいなものなんだよ?

コヒメがドアを開けてくれて中に乗り込む。

椅子が2個しかないってことは2人乗り?

2人しか乗れないのは不便じゃないの?ハナコとかヨシノが一緒に乗れないんだよ?

「ちょっと待ってね。佳乃のサイズになってたみたい・・・」

コヒメがイスの位置を調整してるのかな?

「コレは自動車。まあ、馬車みたいなものよ」

そう言いながら、私を拘束したんだよ!?

「コレはシートベルト、安全のためのものよ」

もしかして、この乗り物って危険が危ないんだよ!?


「よし、今日は警察に止められなかったわ!」

ってことはいつもは何かに襲われてるってことなんだよ・・・

「大丈夫よ、魔物とか盗賊とかは居ないって言ったでしょ?」

じゃあ、何が襲ってくるんだよ?

「国家権力よ。わかりやすくいうと衛兵とか騎士団とかそんな感じの何かよ」

コヒメは犯罪者なんだよ!?

「違うわよ?」

悪い人はみんなそう言うんだよ!

「あたしが子供にしか見えないから勘違いしてるってだけなのよ」

ああ、コレはお子様が乗っちゃいけないやつなんだよ?

「そうよ、大人でも資格がないとダメなのよ」

コヒメはもちろん資格を持ってるんだよ?

「もちろんよ。当たり前じゃない!」

で、ここはいったいどこなんだよ?


「ここはショッピングモールよ」

ものすごく巨大な建物なんだよ!

王都とかより大きいんじゃないかな?

「さすがにそこまでじゃないわよ?」

でも、コモンズの街くらいなら入りそうなんだよ!


で、ここはいったい何の建物なんだよ?

「そうね確かに街と思ってもいいわよ?」

で、コヒメはここに何しに来たんだよ?

「リーゼロッテの服とか他にも必要なものを買いに来たのよ?」

服を売ってるお店があるんだよ?

「ええ、ものすごくたくさんあるわよ?」

たくさん?


「どう?こんな感じよ?」

すごいんだよ!道の向こうまでずっと服のお店なんだよ!

「どう?どこか気になるお店はある?」

こんなにいっぱいあると迷っちゃうんだよ・・・

「リーゼロッテは下着はどうしてるの?」

は、穿いてるんだよ?

「それは当然よ。ああたしが聞いてるのは上よ。上!」

お胸は小さいから要らないと思うんだよ?

「ダメよ!というわけで、まずは下着ね!」

コヒメと同じのでいいと思うんだよ?

「じゃあ、こっちの店よ!」


これは布地が少なすぎるんじゃないかな!?

「そっちは大人向けよ。しかもちょっと特別なやつよ。リーゼロッテはこっちよ」

びっくりしたんだよ。

「どんな柄が好き?やっぱり猫とか?」

色々あるね。

お尻に猫さんの絵がついてるやつとか、全体的に肉球の柄のとか・・・


あ、この柄は見たことあるんだよ。

青緑色っぽい縞々?

「縞々ね・・・」

グレイスが紺色の服とセットだって言ってたんだよ。

そういえば似たような服をヨシノが着てたね。学校用の服だったんだよ?

「セーラー服に縞パンね・・・」

トーストを咥えながら走るところまでがセットだって言ってたんだよ?

「残念なお知らせよ。それはもしかすると悪いグレイスだったかもしれないわ・・・」

悪いグレイス!?

「そうよ、悪いグレイスよ(おそらく中身が小麦のときね・・・後でお仕置きだわ)」

そういえば、たまにグレイスの様子がおかしい時があったんだよ・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る