第56話:安藤の日常その2

-コムギオキテ!-


はっ!今先輩の声が!?

って、アラームっすね。

午後の作業を始めないと。

先輩のお勧めで昼寝をするようになってから、午後も調子がいい気がするっすね。

とりあえず、先輩に指摘されたところを修正したら、それの類似個所の確認。

それにしても先輩はすごいっすよね。

多分、今のプロジェクトも先輩一人で楽勝だと思うんすよ。

それなのに、あえて私に任せるってことは期待されてるってことっすよね?

頑張って、先輩に褒めてもらいたいっす。


私は何となく勢いで作っちゃうところがあるからそれがダメなんすよね?

先輩はもっと機能を細かく精査して設計に時間をかけてる気がするっす。

まあ、それでもトータルの時間は私よりも大幅に少ないんすけどね・・・

今回はいい機会だから自分の書いたコードと先輩の書いたコードを見比べてみるっす。

それと一度じっくりとコードレビューをしてもらうのがいいっすね。

実は先輩がそれほど忙しくないのもわかったので。

今まではあんまり忙しいと迷惑かな~とも思ったっすけど、余裕の塊だということを知ったすからね!

多少先輩の時間を使ったとしても、嫁である私が伸びれば喜んでくれるはずっすよね?


色々と先輩のコードを見て気になった手法をノートにまとめておく。

先輩はいわゆる天才ってやつっす。なんでうちの会社に居るのか不思議なレベルの・・・

それになんといってもすごいかわいいっすよね?

まあ、今の先輩の身体はリーゼロッテの身体で、もともとはおっさんだったっていうけど・・・

どう考えても女の子にしか見えないし、信じられないっすよ。

昨日もお風呂で確認したけど、生えてなかったし生えてなかったっす。

生えてないといえば、エステの予約もしないと!

みんな生えてなかったすからね。仲間はずれなのはいやっすよ・・・


でも、冷静に考えるとすごいことっすね。リアルJKとJCっすよ?完全に犯罪っす。

メイドちゃんは19歳だからJKとは言え、ギリセーフだけど黒音ちゃんは14歳っすよ?

そんな娘とお風呂に入ったり一緒に寝てるなんて・・・

まあ、そもそも先輩なんて見た目はどう見てもJSだし・・・

いやいやいや、今は仕事に集中しないと!


そう言えば、先輩って処女なんすかね?

まあ、男性とは経験がないとは思うんすよ?

元はおっさんだったっていう話だったっすからね。

おっさんの時は経験があったんすかね?

だけど、今はメイドちゃんや黒音ちゃんと同棲してるわけで・・・

お風呂であんなことをしていたという事はそのあともおそらくあんなことやこんなことも・・・

ってことはみんなはもう経験済みってことっすか?大人の階段を踏破済みっすか!?

でも、学生のうちはどうとか言ってたような?


もしかして、いや多分確実に私もそういうことをするんすよね?

まあ、嫁になればそういう営みも当たり前っすよね?

私は女の子ともお付き合いはしたことがないからもちろん経験はないわけで・・・

先輩とそういうことをするのはむしろ望むところなんすけど、先輩も女の子なわけで・・・

私の初めての相手はおもちゃってことになるんすかね?

あ、でもその前にエステっすよね?あれ?そうするとそれまではお預けっすか?

こんな身体で先輩に抱いてもらうわけにもいかないっすね。

大人の階段を上るのはまだ結構先になりそうっす・・・

ああー!全然集中出来ないっす。


-コムギオツカレ!-


は!?

もうこんな時間すか!?

作業があんまり進まなかったっすよ!?マズい、もう少し進める予定だったのに・・・

先輩のことで頭がいっぱいっす。いや違うっすね、先輩とエロいことする妄想で頭がいっぱいっす。

まずはエステの予約をして、メイドちゃんはアプリで出来るって言ってたっすよね?


でも、急いで帰らないと!先輩が待ってるっすよ!

アプリのダウンロードや予約は帰りの電車でするっす!

そう言えば晩御飯ってどうなるんすかね?私の分も作っておいてくれてるんすかね?

メイドちゃんに聞いてみよう。たぶん彼女が作るんすよね?

こんな時の連絡用に家族用のグループLINEに追加してもらったっす。


Undo1129:晩御飯私の分もあるっすか?

YoshinoMaid0404:安心してください。あります。

Lieselotte0406:早く帰ってきなさい。


先輩から早く帰って来いと!

今すぐあなたの小麦が帰りますよぅ!


乗換がないってのは楽ちんっすね。

快速だと20分だったけど、各駅停車だとどれくらいかかるっすかね?

35分もかかったっすよ・・・途中で後から来る快速に抜かれるのはがっかりだったっす・・・

1本見逃してでも快速に乗るのが正解っすね。

そして駅直結のマンション。この時間だとエレベーターも渋滞してないっすね。

すぐに来るし、2階の次が16階ってのもすごいっす。駅のある階から先輩の部屋がある階まで停まらないっすよ。

でも、間違えて向こうのエレベーターに乗ると15階までしか行けないんすね・・・これは注意が必要っす。

さて到着っす。

そうだ、鍵を持ってないっすね。開けてもらわないと・・・


ぴんぽーん


「どちら様でしょうか?」

小麦が帰還したっす。メイドちゃんカギを開けてほしいっす。


ガチャ


「お帰りなさい、安藤」

ただいまっす。

「お帰り、小麦。そうか、小麦は合い鍵を持ってないのよね?」

鍵はもらってないっす。

「それに安藤の物が色々と足りませんよね・・・」

食器とかっすか?

「安藤、昼食はどうでしたか?」

お弁当おいしかったっす。少し量が足りない気もしたっすけど。

「あれは山田の弁当箱なのです。お嬢様用だと明らかに少ないのがわかっていたので・・・」

なるほど、黒音ちゃんの量なんすね。

「一回り大きい安藤用の弁当箱を購入しましょう」

もしかして毎日お弁当を作ってくれるんすか?

「私が自分の弁当を作る時は一緒に作ります。学校の行事などで弁当が不要な時は作りません」

なるほど。

今まで3食ほぼ外食かコンビニだったから助かるっす。

「今借りてる部屋はどうするの?」

うーん、引き払った方がいいっすよね?お金がもったいないっす。

そうすれば浮いた分を例の自動売買プログラムに・・・

「荷物がこれ以上増えると手狭になるのよね・・・どうしようかしら?」

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