プロローグ2

 「おはよ」


 「おはようございます。

 ってあれ?楓零ふうりょう様、今日は早起きですね、珍しいです」


 今ちょうど、食卓に朝食を並べていたのは、従者の一人『輪邪りんじゃ』。こいつも天魔。


 料理担当として雇い、1年ほど経っただろうか。


 しっかし、こいつが初めて 私に出した料理、何だったと思う?


 自分のつのだよ?それも丸々 揚げて。


 それも知らずに かぶりついた私は、前歯が全滅した。


 まぁ、その後 蘇生はしたけど。




 それはそうと、久々に早起きしたんだ。どれ、出来立ての朝食をいただこうか。


 「いただきます」



 まずは ステーキから。


 冷めないうちに 食べてしまおう。


 フォークを手に持ち、肉に突き刺す。



 ぐにゃっ


 「..................え?」



 突き刺す その直後、フォークがねじ曲がった。


 ステーキが硬すぎて刺さらない。なんだこれ。


 いや、むしろ 突き立てる だけでフォークをねじ曲げる自分が怖い。


 「あっ、そのステーキ。冷めない内は 硬すぎて食べられませんよー」



 食器を洗っていた輪邪が 顔を覗かせて言った。


 「はえ?何ソレ どういうこと??」



 私が 顔をしかめると、輪邪は手に持った皿を 一度 流し台に戻して、私の向かいの席に座った。


 「楓零様、いっつも起きるの遅いんで、その時間に冷めるように作っておいたのですがー.....今日は早起きでしのたで、ね」



 どことなく迷惑そうな 言い方に、少しムッとした。


 「なんで私のせい みたいになってんの??」



 私が睨むと、輪邪は ものすごい勢いで首を振った。


 「いやいやいやいやいやいやいやいや、滅相もない!

 楓零様はただ 早起きしただけです!だから計画が狂ったんですよーーー!」


 「「それって つまり私のせいじゃーーーん!!」」






 仕方なく、ステーキが冷めるまでの間、散歩に出かけることにした。


 というか、朝食がステーキだけって どういうことなの。栄養 偏り過ぎじゃない?


 輪邪は料理はできるけど、献立考えるセンスがない。


 ..........なら、私がリクエストすればいいのか?


 いや、そもそも材料自体が不足しているからな。よし、ステーキで我慢しよう。




 「お出かけですか?」



 玄関にて、数邪が見送りに来てくれた。


 「うん、朝の散歩」



 若干 カッコつけならがら 告げ、玄関扉を開けて 外に出た。




 「お気をつけて」

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異能中毒メリーダウン イズラ @izura

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