第8話 自称婚約者は動物に嫉妬する

篠原将宗


それが私の婚約者の名前だ。そして私は救ってくれたヒーローみたいな男の子だ。


ひょんな事があり彼と出会ってそして初めての恋を知った。そんな彼将宗くんは結構モテるので狙っている女子もいるがまあ?婚約者なんで?負けませんが?


「ひさしぶりだよね〜一緒に帰るの〜」


「・・・そうだな」


「むう・・・!なんでそんな元気ないの?」


「だって・・・くっつかれすぎて暑い」


「えー?いいじゃん?婚約者だし?」


「でも学校でもずっとくっついてるじゃん君」


「私はセミなんだよ」


「ほー、じゃあ一週間だな」


「五十鈴ゼミは君が死ぬまでずっと生きるんだよ?」


「怖いんですけど」


そんな化け物見るような目を私に向けられたけどそんな目も素敵!むしろ興奮する!


でもなんだかんだ言いながら私の体を堪能しているんじゃないかな〜?ん〜?


「あ、見てみろよ!猫ちゃんがいる!」


猫のことを猫ちゃんって言ってるのすっごい可愛い!!私も初夜に


『おいで猫ちゃん、たくさん可愛がってあげるから』


みたいなこと言われて私は〜・・・っと引き込まれるところだった危ない危ない


「おお!この子すごい人懐っこい!」


「そうだね・・・ってあれ?」


あの猫、将宗君にすっごい体をこすりつけてるあれって・・・


「動かないで!」


「うおぉ!?急にどうしたんだよ!?」


「その猫から離れて!」


「なんでだよ・・・こんな可愛いのに・・・」


そんな目で見ないでよ!悲しくなるでしょ・・・でもやっぱり興奮する!


ずるいずるいずるい!私だって将宗君が取られないように匂いを付けてマーキングしたいのに!動物だから油断してた!!


「この泥棒猫!!あっち行って!私が先に好きになったのに!!」


猫は私に驚いたのかびくっとしていたが私に威嚇し始めた、私もそれに対抗して威嚇する。


「な、なあ?何してんの・・・?」


「威嚇だよ!!シャァァァァ!!!」


猫も負けずに威嚇してくる。


  *


「うわぁぁん!!将宗君が取られたぁぁぁ!!」


「ただ可愛がっているだけだよ、だから泣くな?」


「ナデナデして?あとキスして?」


「ナデナデはしてやる」


将宗君はそう言って私の頭を大きな手で優しく撫でてくれる。


「・・・もうこれでおしまいだ」


そう顔を赤くして彼は手を引っ込めようとするが私はその手を掴んで頭の上に乗せる。


「もっとやって欲しい・・・!」


「だから終わりだって・・・」


「・・・」


「わかったよ・・・」


そう言ってまた彼は私の頭を撫でてくれた、私はとっても満足した!


あ と が き

短いし遅くなって申し訳ないです・・・

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