第6話 孤高のぼっちはお出かけする

日曜日に俺は外に出ていた。休日はいつも家にいてゲームやらスマホをしているが今日は予定があるのだ。


「あっついな・・・地球温暖化だなこりゃ・・・」


そんな文句をたれながら俺は目的地まで歩いていた。


「あ・・・」


「おう熱斗・・・?ん?」


「どうしましたか・・・?」


「どなたですか・・・?」


「・・・我・・・わ、私は熱斗が今日体調が良くなくかわりに来ました・・・」


「お姉さんですか?」


「そ、そうだ・・・ですね。我・・・私は熱斗の姉です・・・」


それなら姉が来るって連絡くれたら良かったのに・・・


「それなら、どうしますか?このまま帰りますか?」


「い、いや、熱斗に買ってこいって言われてるものがある・・・ありますので・・・よろしければ・・・一緒に行ってくれない・・・行ってくれませんか?」


「いいですよ。せっかくここに来たんでね」


「そ、そうですか〜・・・ありがとうございます・・・!」


熱斗にこんな美人なお姉さんがいたとは・・・しかも熱斗とは全く真逆の性格だな。


「それで?お姉さんのお名前を教えてくれませんか?」


「な、名前!?」


「ど、どうしたんですか!!??」


そんなに驚いて俺はなにか悪いことでもしたかな・・・?もしかして・・・


「お姉さんって・・・」


「・・・そ、それは・・・」


「とってもシャイな方なんですね・・・すみません・・・」


「あ、え・・・?」


流石に初対面の人にこんなグイグイ来られると嫌だよな・・・


「・・・な、名前くらいは言える・・・言えますので・・・温子です・・・」


「温子さんですね?」


「は、はいそうです・・・」


なんだろう、すごい父性をくすぐるような・・・


「それで今日は何を買いに行くんですか?」


「本と私用ですが服を見に・・・」


「わかりました、行きましょう」


「あ、はい・・・!」


俺と温子さんは歩き始めたがなぜか温子さんはソワソワしている。


「どうしたんですか?」


「あ、そ、そのなんでもないです・・・」


温子さんは俺の手の方を時折チラチラと見てくる。


「手つなぎたいんですか?」


「え、えっと、うん・・・」


「そうですか」


俺はそっと温子さんの手を握る。温子さんは細く小さい手をしていたが温かかった。

そして温子さんも優しく握り返してくれた。


「・・・」


「・・・で、では行きましょうか!」


「そ、そうですね!!」


手を握りお互い気まずい空気になったが俺はそれを無理やり打ち消す。


  *


「ど、どうですか・・・!?似合ってますか・・・!?」


「と、とっても可愛いですよ!」


熱斗に頼まれた本を買い終えて俺たちは服屋にいる。


「そ、そうですか・・・ありがとうございます・・・!」


あ〜こんな人の彼氏とか絶対良いに決まってんだろうな・・・しっかし、熱斗と全くにてないな本当に姉弟なのだろうか?


「よくお似合いですね〜!そう思いませんか?彼氏さん」


「彼氏ではありませんが・・・まあそうですね」


「良かったですね〜彼女さん!」


「これにします」


「え?他に見なくて良いんですか?」


「はい、将宗君が可愛いって言ってくれたものがいいの」


「そ、そうですか・・・」


「あ、そ、そういう意味じゃありません!!」


「わ、わかってますから!」


店員さんはこちらを温かい目で見ていた。


「あ、アイス食べますか?」


「そうですね〜ちょっと小腹が空いてきた気がしますね」


「買ってきますのでちょっとまっててくださいね!」


「あ・・・将宗君に悪いことしちゃったな・・・」


温子さんはちょっと寂しそうになにか言っていたが俺にはよく聞こえなかった。


あ と が き

明日も投稿します

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