第5話 孤高のぼっちは一人になりたい

「今日は14日だから・・・14番の篠原、前に出て答えを書いてみろ」


俺こうやって今日の日にちで当ててくる先生嫌い。


俺は前に出てスラスラと答えを書いた。もちろんあっていた。


「正解だ。ちょっと難しいと思ったが大丈夫だったな!さすがは篠原だな!」


「あー・・・ありがとうございます」


椅子を引いて俺はゆっくりと腰をおろした。


「よっ・・・こいしょ・・っと」


「おじいちゃんかな?」


「ばりばりの高校生だわ」


「そんなことはどうでもいいから置いといて」


「置くのか・・・」


「流石だね」


・・・これは気づかれているのだろうか?


「どういう意味だ?」


「流石は孤高のぼっちだね」


「やかましいわ」


「ほらそこイチャつくなー」


「イチャついてないんですけど・・・」


「先生はな?未だに彼女がいないことが悔しいんだ・・・」


先生は涙を流しながら力説している。こういう時どうすればいいの?『先生にもいい人がいますよ!』って言った方がいいの?


「先生の理想の奥さんはなんですか?」


「優しくてー料理ができてー」


うんうん、まさに理想の奥さんって感じ


「いつでも赤ちゃんにしてくれるような人かな?」


前言撤回、全然理想じゃねえわ。この学校の先生癖が強すぎる。


「そんなだからプラマイゼロになるんですよ?」


「男はな?誰かに甘えたくなることがあるんだ!」


「もうだめだこの先生は・・・」


ただ甘えたくならまだしもこの人は赤ちゃんになるって断言しているのだ、一生独身を貫いてくれ。


  *


お昼になった。うんそれだけだが?


「五十鈴さん!お昼一緒に食べませんか!?」


「ごめんね〜?将宗君が嫉妬しちゃうからさ〜?」


「・・・そ、そっか〜」


別に嫉妬とかしませんが?ほら〜そんなこと言うから誘ってきた男子がこっちを睨んできてるでしょ〜?


「さってと〜将宗君!一緒に食べよう!」


「・・・オレソンナオナカスイテナイカラゴメン」


「またまた〜そんなに私と食べるのが嬉しかったんだね〜?かわいいな〜!」


このこの〜と脇腹を突かれる。優しくやられているがくすぐったい・・・


「そういうことじゃないんだが?」


「じゃあどういうこと?」


「そ、それはだな・・・」


どうしたらいいだろうか・・・そうだ!


「今日も熱斗と食べるから!」


「あら?浮気かしら?」


なぜ浮気になる!?


「そ、それはどういうことでしょうか・・・?」


「・・・私以外の人と食べてるのが気に入らない」


「そ、そうか・・・」


結構可愛いところあるじゃないか・・・まあ、こいつは俺を無理に婚約者にした狂っている奴なんだがな


「じゃあ俺は行くな?」


「行かせるわけないでしょ?って、これは!?」


「おっと、それは身代わりだ!」


やっとだ!やっとこいつに一泡吹かせられたぜ!


「覚えておきなさいよ!!」


そんな悪役が言うような捨て台詞を吐いて五十鈴は行ってしまった。


「あ!我が友よ!一緒に弁当食わないか!?」


今度は熱斗に会った。悪いな今日は一人で食べたい気分なんだ。


「それは身代わり・・・」


「捕まえたぞ!!さあ、ご飯を食べに行くぞ!!」


「畜生!!なんでだ!!なんで孤高って呼ばれているのに一人になる時間がないんだ!!」


熱斗に連行されて今日も一人で優雅に昼休憩を過ごせなかった。


「あ、暑かった・・・」


「大丈夫か!?保健室に行くか!?」


「い、いや大丈夫だ・・・」


こうなったのは君のせいなんだがな!!なんで6月なのにこんなに暑いんだよ!ふざけんな!


「あ、そうだ!我が友よ!」


「今度はなんだ・・・?」


「日曜とか暇か!?」


「お、おい、近い!離れろ!」


「暇か!?」


「暇だよ暇!」


「出かけようじゃないか!!」


「えヤダ」


「・・・我でも即答はかなり傷つくぞ・・・」


流石に罪悪感が湧いたので熱斗と日曜に予定ができた。


あ と が き

遅れてすみません・・・18時にもう一話投稿します

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