第4話 孤高のぼっちは振り回される

「ねえねえ、ここの問題わからな〜い。教えて〜?」


「・・・近い」


「むふふ〜篠原くんはスケベだね〜」


「お前から勝手にくっついてんだろ・・・離れろ」


「え〜・・・あの子とはもっとくっついてたじゃん」


「暑苦しいんだよ、暑苦しいのは熱斗だけでいいんだよ・・・」


五十鈴が隣になってからずっとこの調子だ。男子から嫉妬の視線で胃に穴があきそうだ・・・


「ねえ〜?私のこと好き〜?」


「なんでバカップルみたいなことをしたがるんだお前は・・・」


「む〜!質問に答えてよ〜!あと五十鈴って呼んでって言ってんじゃん!」


「やだよ」


俺は助けを求めて先生の方に視線を向けると先生はスマホを見てなにか調べている様子だった。


「あ・・・この人お金いっぱい持ってそう」


「先生、授業中に婚活サイト見ないでください」


何してんだよこの先生


「ごめんごめん〜あんなにイチャイチャしてるところ見せられると先生もイチャイチャしたくなっちゃうの〜」


なんかごめん先生


「先生用事ができたから自習してて、新しい台で打ちに行かなきゃ」


「パチスロやりに行かないでください」


「ねえ〜接吻していい?」


「接吻」


江戸時代の人か?接吻て


もうカオスだよ。何だよこの学校やべえやつしかいねえじゃねえか・・・


  *


はあ・・・やっと終わった。あの後先生は『学校にパチスロ設置していいか校長を説得してくる』とか言って首にされかけていた。


「なあ、重いんだが」


「頑張って落とさないようにね!」


「なんで米俵持たされているの俺?」


「なんでって・・・そりゃあ、赤ちゃんが生まれてもいいように練習してもらおうかなって」


「赤ちゃんって・・・まだ高校生だぞ?俺たち」


「実は今日は親がいないんだよね・・・来る?」


「行かねえわ絶対」


「なんでよ!!普通は来るでしょ!!このヘタレ!!」


「うるさいわ!俺にはまだ荷が重いんだよ!!」


「え・・・?」


「もう少しおとなになってからな?そういうのは」


「ちゃんと考えてたんだね・・・うんわかったよ!」


あれ?なんで家族計画立ててるんだ?


「雰囲気に流されていたが俺、お前と結婚しないからな」


「え!!!??なんでよ!!???」


「お前のことよく知らないから」


「あ、そっか。それならなんでも質問して!」


「お前とはずっと友達のほうが楽しいわ」


「え〜?そんなこと聞いちゃうの〜?スケベだな〜将宗くんは〜」


「イマジナリー俺は何を質問してんだよ」


「3サイズ」


「何聞こうとしてんだよ!!」


「上からきゅうじ・・・」


俺は急いで五十鈴の口を塞いだ。


「周りに人がいるだろうが!!勘違いされるだろ!!」


「いいじゃん!私達婚約者だから!!」


「まず俺はお前と婚約なんてしてないわ!!」


「がーん!!」


「がーんなんて擬音語口に出してるやつ初めて見たわ」


「ね、ねえ我が友よ・・・」


「どうしたんだ?あ、今日はプリンでも落としたんだな?」


「そうじゃないが・・・」


「あれ???」


何故か熱斗はいつもよりも元気がないが珍しいな。いつもなら俺に泣きついてくるはずなのに・・・


「や、やっぱなんでもない・・・」


「そうか?大丈夫か?」


「うん、大丈夫」


そう言われてもこんな調子だとちょっと気が狂う。


「ねえ、熱斗だっけ?」


「うん・・・そうだけど・・・?」


「ちょっと話さない?」


「わ、わかった」


今日は珍しいものがたくさん見れるな〜


五十鈴は熱斗と話をして少し経つと戻ってきた。二人の機嫌がとっても良くなっているような?


「なにかいいことでもあったのか?」


「別になんでもないよね〜」


「そうだな!!」


まあ、熱斗が元気になってよかった。


あ と が き

こんにちは作者です。夏休み中は水金土日に投稿しますのでお願いします。


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