幕間 勇者パーティー人物紹介
前書き
区切りもいいことだしちょっと纏めてみました。こういった設定が嫌いな方は飛ばしてください。
◆
勇者フェアド
のほほんとしたお爺さん。偶に口調が若返って荒くなる。
かつての英雄にして光。現れた滅びそのものを食い止めるために立ち上がり、死と絶望に真っ向からぶち当たった勇者。しかし戦いにおける駆け引きができず才能もないため、当たって砕けろの精神で突き進んだ。
なお砕けたのは死と絶望の方である。
極論すれば盾で耐えて剣を振り下ろすしかできない男であり器用さの欠片もない。世界の滅びを食い止める方法も、邪魔する奴をぶちのめし続けると言うシンプル極まりないもの。
そのため技巧派のシュタインよりもよっぽど脳筋で、大戦当時は馬鹿と無茶の代名詞のような存在だった。
愛用の盾と剣は中古の量産品。血筋は特別なものではなく神との縁もない。だが暗黒の世を絶対になんとかして見せると決心し、人知を超えた光を宿した。
その光はあらゆる聖職者が理解できず、大魔神王すらもなんでそんなことができると困惑することになる。それ故に一部では死ぬことが可能なのかと疑われている。
実は戦っていた時期よりも戦後に農作業をしていた方が長いため、畑仕事の実力は一級品。明日の天気もなんとなく分かる。
尤も未だに人類最強の一人であり、かつての魔の軍勢からも化け物認定されていた。
-まあそりゃ魔の軍勢は理不尽さ。でもこっちには超理不尽がいる-
大戦時のとある兵士
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聖女エルリカ
のほほんとしたお婆さん。街にいたら近所の子供達からも慕われただろう。
だが若い頃は正反対で機械的な女。
聖女とは名ばかりであり、実態は人類の敵となる神と魔を消すための殺戮兵器だった。
エルリカを作り出した者にとっての仮想敵筆頭は大魔神王だったのだが、好き勝手やっていた主流派の神も視野に入れており、神の僕でありながら神に敵対する存在とも言えた。
そのため魔を殺す為の技だけではなく対神技術と表現できるものも習得しているのものの、代わりに七十年前は常識など色々抜け落ちており、勇者フェアドがツッコミ役になっていた。
このように幼少期から兵器としての性能を求められた上に、一般的な聖職者としての仕事は知識でしか知らないため、聖女とは口が裂けても言えない。
それは七十年後も同じで、どこか適当な神殿で仕事をすることになった場合は困惑してしまう可能性が高い。
余談だが父のフェアド並みに無茶苦茶やった息子は、母であるエルリカにだけ頭が上がらず、怒られた際は父を盾にしてやり過ごそうとしていたとかなんとか。
-祭具? 武器のことですか?-
-なんでそうなるんだよ-
若き日のエルリカとフェアド
-母ちゃんごめんなさい!-
勇者と聖女の息子
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剣聖サザキ
皮肉屋で素直じゃないお爺さん。爆笑するかニヤニヤ笑うかのどちらかで、若い頃と全く変わっていない。
酒飲みの中の酒のみ。酔っ払いの中の酔っ払い。その人生において、水より酒を飲んだ量の方が多いのではないかと思われている。手元に酒瓶がない場合は具合が悪いんだと心底心配される。
幼少期から最速なら最強じゃね? という子供の理論を持ち、大戦初期は敵味方から鼻で笑われたが、机上の空論が実現すれば誰も止められないことを証明した。
サザキを認識したタイミングと死ぬのがほぼ同じになるため、物理攻撃を無効にできない魔軍の個体にとっては死と同義だった。
戦後は弟子の育成に尽力し、元々面倒見がいいこともあって多くの剣士を輩出する。ちなみに弟子の系譜全部をひっくるめると、最大規模の戦闘集団の親玉と言い換えてもいいかもしれない。ララのところも合わせると尚更である。
今現在はフェアドとエルリカが山から出てきた上に、ララや戦友達と旅をしているため一番楽しんでる。
なお大戦中に駆け回った地方の一部で酒の神と誤認され、模した木像が作られているとか。
-……常識もある方だとは思うが、分かった上で気にしていない節はある-
剣聖と魔女の息子ファルケ
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消却の魔女ララ
皮肉屋で素直じゃないお婆さん。つまり旦那のサザキと似たもの夫婦。
化け物ぞろいの勇者パーティー内ですら最強火力を誇る魔女。
大岩が降って来たり、竜巻や雷も生み出せるため災害と戦うようなものである。ただそれでも真に恐るべきは消却の力であり、魔軍でも僅かな例外を除いて問答無用で消し飛ばされている。
大軍を纏めて殲滅できる範囲攻撃も可能なため、大戦時の魔軍はララを最優先排除対象としており、フェアドよりも優先度が高かった。
だがパーティーの後方にいる彼女を排除するためには人知を超えた光の壁、絶対に先手を取る剣、何が起こってもカウンターを叩き込む拳、凄まじい機動力と手数を併せ持つ青、どこからともなく現れる殺戮兵器、湧き上がる暗黒を突破する必要がある。無理。
実際多くの魔軍が絶望と共に斃れ、大魔神王ですら突破できなかった。
戦後はサザキと同じく弟子を育成。多くの弟子や関係者がいる学術都市は尋常ではない戦闘力を有しており、仮定の話だが七十年前に存在した魔軍の主力軍すら弾き返せる。
実は息子のファルケも知らないことだが、彼やサザキの服などを幾つか家に保管しており、思い出の品は捨てないタイプ。
そして彼女もまたサザキと同じく、仲間が繰り広げる昔のような馬鹿騒ぎを苦笑しつつも、なんだかんだ楽しんで旅をしている。
-一見すると性格が合わないように感じるかもしれんが、やり取りを聞いてると実感する。ああ、似たもの夫婦なんだな。と-
剣聖と魔女の息子ファルケ
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無波のシュタイン
常時筋トレしている筋肉お爺さん。
頭の中身も筋肉で構成されているモンク。七十年前は筋骨隆々の大男だったが、今現在は引き絞られ過ぎて枯れ木のようになっている。
冗談でも比喩でもなく、五感からの情報が脳で筋肉に変換されている疑惑を持たれつつも、実はかなりの良識と常識を持つ。
そのため仲間達からは一番真面目だと評されているが、戦術勇者パーティー(突撃粉砕)が最も効果的だと判断しているあたり、やはり彼も非常識集団の一員である。
モンクとしては天才も天才であり、現在、過去、未来の全てを合わせても、これ以上の素質を持つ者は存在しえないと師から太鼓判を押されていた。なおそのせいで師の予想をぶち抜いた道を歩んでしまっている。
モンクを殺す為だけに生み出されたモンク殺しにとっての宿敵であり、一部のモンク殺しはシュタインを殺すことはモンクそのものを完全に破壊することだと判断して執拗につけ狙い……ほぼ全てが敗れ去った。完全に対シュタインだけを念頭にして生み出された最後期の個体群すらも。
戦闘者としてサザキと比較されることも多く、どちらが強いかで議論の的になることも多いが、当事者たちは高確率で相打ちになるだろうと結論している。
-その光もまた筋肉によるものだ-
-なに言ってんだお前?-
若き日のシュタインとフェアド
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竜滅騎士マックス
勇者パーティーの一員でありながら、よく仲間達に振り回されているお爺さん。振り回されているときの声は、仲間内で最も大きい。
自称几帳面で臆病者。仲間達は平気だろうけど、俺は死んじゃうんだって思いながらあらゆる戦場を駆け回り、大戦における悪竜討伐数第一位となった男。
ドラゴンから力を分け与えられた存在でありながらそれを超えてしまい、人竜とでも呼ぶことができる存在と化している。
そして同じ竜の力を宿した様々な武具と共に戦うのだが、一つ一つが意思を持っている上に独特な感性を持っているようで、マックスからは呪われた装備だと認定されている。
そんな彼は勇者パーティー内で最も普通の人間だという自負を持つが、思い付きで名前をころころ変えているし、何より生まれが一般的な普通とは程遠い。
なにせリン王国王家に生まれた双子の弟なのだが、表には出されなかったもののきちんと教育を施されているためかなり学を持つ。このおかげで大戦終結後に様々な商売に手を出しては、そこそこ成功を収めているので人生はなにがあるか分からないなと苦笑していた。
その何があるか分からない人生で、ついに故郷に戻り肉親との再会を果たす。
-ドラゴンに乗って戦う騎士ってのは派手に感じるみたいだな。弟子は結構お前に憧れてた-
-え!? マジ!?-
サザキの言葉に喜ぶマックス
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暗黒騎士エアハード
???
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