第7話

どちらのチームも最初から飛ばしていく。

取ったら取られ、また取ったら取られ……


相手チームには『針』というコマがいる。

『針』は後ろ以外全方向に動くことができる。

自分の陣地に入ってしまうと大変なので、早く取っておきたい。


歩たちのチームには、前後左右に限りなく動ける飛車くん、斜め方向に限りなく動ける角行がいるから、ある程度有利なほうだと思う。


しかし相手もなかなか手ごわいものだった。


でも、歩は仲間に守られながら敵陣に入って成り、攻撃をしていった。


ピッピー


熱気が溢れていた会場を切り裂くように笛が鳴った。


勝ったのは歩たちのチームだった。


試合終了後、歩の父と母は、歩のもとへ来た。

「歩兵くん、すごく強くなったわね!!」

両親はとても驚いていた。

「それも、みんなのおかげだよ!」


ここで、準々決勝に進むチームが決定した。

歩たちのチームは、準々決勝でも実力を発揮し、準決勝へと勝ち上がった。


準決勝では、不安定な状態が続いたものの、逆転して勝つことができた。


気がつけば、空はオレンジ色に染まっていた。

いよいよこの時が来た。

挑戦者の控え室で、歩たちのチームはお互いに励まし合っていた。


「いいか、この闘いに勝てば、我らのチームは将棋のコマの代表になれるぞ!!

みんな、いくぞ!!!」


「おーーーーー!!!!」


ドドドドドドドドドド、ドンドン。


太鼓の音が鳴り響く。決勝戦の準備の合図だ。

相手チームの目が鋭い。

相手も、まだ一度も負けていないチームだ。

だから、ちょっとでも気を抜くと……負けてしまうかもしれない。


チキュウに送り込めるチームはたったの1チーム。そのチームが、決まろうとしている。

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