第2話

今日も歩は、なんだかすっきりしない気分だった。

寒い夜。冷たい風に吹かれ、小さな街灯の明かりだけを頼りに、細い道をトボトボと歩いていた。


「はぁーーー」

歩がため息をつく。すると、

「はい、ため息40回目だよ。お歩くん。」

「うわぁ!」


後ろには、歩の友達でありライバルである飛車くんがいた。飛車くんは歩と同じチームで、よく歩が落ち込んでいる時、アドバイスをしたり励ましたりしてくれるのだ。


「もう、いいかげんお歩くんなんて呼ばないでよ〜」

そう言いながら、歩はいつの間にか笑っていた。


「帰り道途中まで一緒だから、一緒に帰ろ!」


不思議だ。飛車くんの笑顔を見るとこっちまで笑顔になる。そんな2人を、あたたかい風が包んで見守っていた。

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