第21話

 レヴィアタン、アスモデウス、ベルゼブブが仲間に加わった今、どうせならということでマモンを仲間に加えようと思った。

 七つの大罪がそろうって超かっこよくない?っていう単純な理由からなんだけど……。


 残りはマモン、サタン、ベルフェゴールの三体。

 ただ、ベルフェゴールはともかくサタンは私の名を使って悪いことをしているみたいだしな……。


「仕方あるまい。ほかの大罪の奴らが悪さをする前に捕縛だ。私はマモンのほうにいく。ベルゼブブはベルフェゴールを、レヴィアタンとアスモデウスはサタンを連れてきてくれ。悪さをして反抗するようならば殺すのはやむなしとしよう」

「了解~。うふっ、サタンちゃんはどんなふうになってるかなぁ?」

「きっとろくでもねえぜ! 行こうぜアスモデウス! 俺らのビート、サタンの野郎に見せつけてやるぜ!」

「ベルフェゴール……。どこにいるんだあいつは」


 私は翼を広げ、マモンが商会を開いているというグランツェ帝国にやってきた。

 グランツェ帝国は女帝ミランツ・グランツェが治める帝国で、比較的緩やかな政治を行っている。

 国としては割と繁忙しているほうで、フレズベルグ王国の王都の人たちがもし移住するならこの国がいいと上げてるランキングナンバーワンだとか。どんだけ平和なんだ。と思うが、ゲームだとここは初期位置であるホワイト国の隣の国で、めっちゃ低いレベルで来れるようになる国なんだよね……。


 そりゃレベル低いわ。


 私は帝都につくと、マーモン商会本部の前に着陸する。

 そして、扉を開けて、受付のほうに向かった。


「おい、マモンを出すがいい」

「お、お客様……。アポイントメントは……」

「ない。が、通せ。私は貴様らの商会長と話がある」

「い、今確認を……」


 気弱な女性がとてとてと階段を駆け上がっていった。

 

「うっわ、すっげえ上から目線な女……」

「ああいうの迷惑……ってか翼生えてね?」


 とてとてと降りてきた女性は商会長がお会いになられるそうですと告げてきたので、私は案内してもらい商会長の部屋に入った。

 そこにはゲームで見たマモンの姿があった。ペストマスクをかぶったような姿で不気味ないでたちをしている。


「よぅ。マモン。久しぶりだな」

「何の御用でしょうか。私は忙しい……とは言えませんがあなたと戦ってる暇はないのですよ」

「戦いに来たわけではない。マモンよ、私の配下にならないか?」

「配下?」


 私は私が作った町のことを説明した。

 マモンは顎に手を当てて考えるしぐさを取るが目が動かないから不気味だな。


「なるほど。ルシファーが自ら町を立ち上げ人間と友好的に……。大罪メンバーがそろい踏みであるから戦力的にも申し分なし……」

「どうだ? 給金は……私自身持ち合わせがないから今は払えないが」

「ふむ。たしかに新天地で商いをするのも悪くはない……。が、まだ決め手に欠けるな。私に何をしてほしい?」

「簡単だ。町の予算の管理だ。お前はそういうの得意だろう?」

「確かに得意だが……。ふむ。やるべき仕事は明確、この商会も私抜きでも回るような体制はできた……。ほかの大罪メンバーが悪事を働いた際に粛清するにはそれ相応の力が必須……。たしかに私が必要な理由も理解はできた。が、まだ私の要求はある。商売はできるんだろうな?」

「ああ。予算を増やすのもお前の仕事だ」

「オッケーだ。予算を増やす……。予算がそこまでないところからのスタートか。面白いじゃないか。私はそんな刺激的な仕事が欲しい! 刺激がないと何も始まらないからな!」

「受けてくれるか?」

「もちろんだとも! そんな面白い話、こちらから乗っかった! ふふふ、いいぞ。どうやって収入を増やそうかすでに画策している自分がいる」

「もっとも法外な手段はなしだ。一応、フレズベルグ王国に属している町にはなるのでな。法外な手段をとると敵と捉えかねられん」

「わかっているとも。人間の常識の範疇で……だ。縛りがあったほうがなお面白い」


 マモンはこういう性格なのか……。

 どうやらマモンはそういう縛りゲームをやりたいという感じの性格だ。そういうのに慣れちゃった人間は縛りが必須になるよな……。


「交渉成功だな」

「ああ。だが、そちらに向かうのは少し後になる。こちらでの仕事があるのでな。引継ぎなどをしていくから……。そうだな。1日で終わらせる。それまで待っていてくれ」

「ああ。それぐらいなら許容しよう」

「助かるぞ。私としても、ルシファーとは戦いを交えたくはないからな」


 とりあえずマモンゲット!










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