第15話
小さな国を建てる。
私は税金でウハウハ、国民は私に守ってもらえて幸せ。うん、行けるな!
ということを、私は国王様に話してみた。
「なるほどな……。今までルシファーの土地だと思って手出ししていなかった土地に国を……。貴族領ではダメなのか?」
「それ私を国に縛りつけようとしているだろう?」
「…………」
「それでもいいが、それを飲むのだったら条件が2つある。1つは、私は貴族との腹の探り合いはしたくない。国の大事に私を巻き込むなということ。敵が攻めて来た場合のみ対応する。2つ、爵位は高くすること。舐められるのは私としても嫌だからな」
腹の探り合いなんてゴメンだし、舐められたら舐められたで嫌な思いするし……。
名字とかもないから○○家と呼ばれないのはまぁいいとしても。
「……わかった。それで良いのならお願いしたい」
「そうか。では、私の土地はこのフレズベルグ王国に献上したということになるな。だが、そこの管理は私に任されたということになる。他の国から何か言われないか? 領土が少し増えるわけだからな」
「ルシファーの名を借りて黙らせるさ。他の国にとってもルシファーは恐るべき存在だからな。ルシファーがこの国にいること、我々の味方していることは武力の面に関しても多大なる貢献がある」
「そうか。まぁ、利用するのなら好きなだけ利用しろ。こちらも迷惑はかけるわけだからな……。夜会とかあっても私は基本的に気分次第だ。必ずいくとは限らん」
「わかっている」
割とわがまま通りますね。ルシファーの名前は伊達じゃないぜ。
力で敵わないからこそ、従うしかないということなのだろうか? 要するに私は夜会は行けたらいくって言ってるようなもんなのに貴族でそれは通らんだろうな……。
「それで、名はどうする? ルシファー領とでも銘打っておくか?」
「そうしてくれ。町の名前はこれから考える」
「わかった」
「話は以上だ。それで、王の権限で私の爵位は何になる?」
「難しいな……。公爵か、そこらになるか……」
「……まぁ、高い身分ならなんでもいい。私は帰るとする。急に押しかけてすまなかった」
「いや、構わん」
私は窓から飛び降り翼を広げる。
うーむ。町の名前、町の名前か。ルシファー町! 安直すぎる。もっと私の厨二的美的センスを活用してだな……。
なにかかっくいー名前。闇に溺れよ、ダークリマインド……。うん、これはない。
「ダテンシ町……。プライド町……。なんか違うな」
ネーミングセンスねぇ〜。元厨二にネーミングセンスを求めるなよなー。
いや、町作るって決めたのは私だけど。
「堕天使の住む町、サタニア……。第一候補がサタニアかな」
私は玉座に戻り、ベルゼブブに尋ねる。
「サタニアなんていうのはどうだ?」
「サタニア……。まぁ、悪くはないんじゃないでしょうか」
「エルフはそれで納得するか?」
「わかりません。ただ、エルフは神聖なものを好む傾向がございますから……」
「となると却下だな。私の町の名前は誰もが納得する名前でないとダメだ」
「……ルシファー様が本気で周りのことを考えているとは」
「なんか言ったか?」
「いえ」
エルフの好みにも合うような名前か……。
……。
「アテナ」
「はい?」
「守りの町アテナ。どうだ?」
「アテナ……。いいと思いますよ。町の名前はそういたしますか?」
「そうだな。とりあえずアテナだ」
神聖なものつったら神しか思い浮かばん。
堕天使が神の名前の町に住むっていいの? 割と冒涜してない?
ベルゼブブは仕事をしっかりとこなしてくれる奴で、すぐにエルフたちに伝えに行っていた。
人口10人にも満たない町……。だが、これから人口が増えていきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます