第六話 ループとタイムリープは別物

 あれ? これ、2回目……

 

「ご主人、アレ食べたい」


 そう、ミーシャが話しかけているのを少し無視して考える。

 さっきも、この状況だったよな……

 急にミーシャが殺されて、街が消えて……

 じゃあ、これは夢か?

 いや、だとしたら1周目で抓(つね)られた時に痛くない筈……ん? ループか?


「ご主人……?」


「ミーシャちょっと待っててくれ」


 そう言うと、ミーシャが少し拗ね、小さく呟く。


「今回のご主人、なんか変」


 となると、取り敢えずループなのであれば、何がトリガーなのだろうか。


「んー」


 分かんないです。

 取り敢えず、トリガーが何かはわかんないが、敵が居る事は分かった。

 多分、ミーシャを殺した奴と街を消した奴はペア。

 

「あーもう!」


 何っにも分かんねぇ! 何だよこの異世界! ダーク過ぎるわ! 

 景気晴らしにミーシャのちっぱいでも揉も……


「ご主人、疲れてますか? 駄目に決まってるでしょう?」


 ちゃっかり却下された。ミーシャ酷い。

 でも猫耳少女のちっぱいとか夢ありすぎだろ。

 揉みたいじゃん。雄として。

 ループ系のテンプレとして、ループ出来る事とか人に言ったら死ぬ奴。ソースはリゼロ。

 それにしても、急に能力に目覚めたなぁ。

 色々ルートがある中、一つだけ正解のルートがある。

 ムズすぎる。

 何万何千回やっても変わんない気がしてたまんないです。

 とととりあえず今回、ミーシャを殺した野郎を見つける。

 でも、何でミーシャなんだ? ミーシャを殺す理由なんて無いのに……

 あー、わっかんねぇ、わっかんねぇ。

 俺の能力がループ物だとしても、トリガーを考えなきゃ。

 死に戻り? それは違う。

 握手? それも違う。

 自由に戻れる? それっぽいけど、戻り方が分からん……

 取り敢えず……


「ご主人! ご! は! ん!! お腹空いた!!」


 ご、ご飯ね、ご飯。

 ミーシャの事、忘れてた。

 今は、ミーシャの幸せが1番だったな……

 もうさ、この時間が、ずっと続けば良いのに……


           *


「ご主人?」


 時刻は夜。ミーシャが俺をさすって起こしに来る。


「ご主人……ご主人……?」


 何度さすって起こしても一行に目が覚めないソウマに嫌気が差したミーシャは、1度強くソウマの頬をつねる。

 するとソウマの目が覚めたので、ミーシャ静かながら笑う。


「痛……ミーシャ、おはよう……?」


「おはよう、ご主人。お腹空いた、ご飯食べに行こ」


 そう、お腹を「ぐぅ」と鳴らしながら服の裾を引っ張って来た……。

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