第二話 実は奴隷や獣耳などに興味がある。
みなさま、剣士に憧れはありますでしょうか?
「ス○ーア○ルト‼︎」ってアス○と一緒にさ、ソロプレイヤーでこの世界を無双したいんだけど。
……っあでもア○ナが居る時点でソロプレイヤーじゃ無いのか。
そんな所は気にせずMMORPHを脱出したと思ったらさ、次は○スナを賭けた戦いの為にまたMMORPGに入って……
俺は今異世界に居るんだ。SFの話はしてねぇな。
という事で俺は帰り道、自分の職業について考えていた。
魔法使いは……少し違う気がする。
ヒーラーは……脇役スキル過ぎる。
タンクは……っあ前線で戦えるじゃん! ……防御力には極振りしたきゃねーよ。痛いのは嫌だけど。
もっとサァ、最前線で敵をバッタバッタと倒せる役職ないの? ……剣士だ!
……と異世界で初めてのクエスト——嘘発見気の試験体にされた後、残り少ないHPのまま町に帰ろうと森を
俺は少し歩く速度を上げ、街へ向かったのであった。
*
「いらっしゃいませー」
街へ戻って直ぐに行った所——それは武器屋だった。
店内は刃物や銃器、爆発物などが陳列され、その光景はまるで戦場のようだった。
しかし、それがここは武器屋であるという事実を思い出し、俺は1度落ち着いた。
「この剣と盾をください。」
俺はそう店主に言うと、店主は一瞬俺を見つめるが、その後武器屋のおっちゃんは、にこやかに俺に問いかけた。
「あんちゃん、冒険者かい?」
俺は彼に向けて微笑みながら、剣と盾を取り出した。軽々と手渡すと、おっちゃんはそれを手に取り、興味津々の眼差しで調べている。
その様子を見て、俺は少し安堵した。
「そうだが、どうして?」
「いや、このお店は武器屋の癖に人が来なくてな。国から金は貰ってるから生活は大丈夫なんだけど」
だから、珍しいから話しかけたって事か。面白い、ここで仲良くしよっ。
「合計して金貨4枚です」
高っ! 破格過ぎんだろ……防具とかだとそんぐらいするのか……?
知らねぇ
「ありがとう。これで、旅立てる」
俺は、おっちゃんに礼を言って武器屋を出た。次に向かうのは、街の出口だ。そこから、俺は新たな冒険の旅へと出発する。
*
クエストで森を歩き回ってはモンスターを狩り……を繰り返してしると体力が減ってきてるのが分かった為、帰ろうとしていた。
そこで木の裏から人影が見えたので武器を構える。
チッ……ゴブリンか。回復薬持ってくれば良かった。
そうして俺が警戒をしていると、物陰から人が出てきた。
「おっと、すまないすまない。驚かせるつもりなどは
こちとら驚いてはねぇわ。
思わずツッコんでしまったが、相手がまだ友好だとは限らない。警戒は緩めず、慎重に。
笑い過ぎて笑って一度死んだ身だ。相手が急に攻撃してきて『To be continued…』になる事だけは絶対に避けたい。
んー、この場。どう逃げれば……
「少年、君に一つ質問をいいか?」
質問によっては俺、死ぬかも知れない。やだー、もう死にたく無いぃ〜。
「な、何ですか……?」
ニヤリと笑う。
「奴隷商に興味ないかね」
*
奴隷商——それはどこかの国や集落、市から魔物や獣耳などを
それに普通に人間を
けしからん! 実にけしからん話だな!
え? そう言う蒼真はどう思ってるって?
ふふふ、ふふふふふ……うん、ヤろうと思ってました。え? クソウマ? 何度でも言ってみろ。俺には効かねぇ!
「買います」
「お、即決じゃなぁ! 良いぞ、それではこちらへ」
そして少し歩くと、そこには大きな馬車があった。
馬が三匹……なんか、馬刺し食べたくなってきた。
……じゃねぇ! 何考えてんだよ! 俺‼︎
「この馬車の荷台の中ですぞ」
そして荷台にかかっていた毛布を外す。
そこに居たのは、獣耳美少女……なんてものは居らず、額に星野あるゴリラ——スターゴリラや、目が赤い殺人兎——デスラビットなどが檻の中に閉じ込められていた。
いや名前よ。そのまんま過ぎないか? 過ぎないか?
「こちらとかどうです? 私の最高傑作なんですがねぇ?」
そう言って指差したのは羽の生えた角のある馬——ペガサスだった。
うう、うう! 思ってたんと違う。色々と……違う。
他に! 他にねぇの⁉︎
そう言って心の中で叫んで居ると急に檻から『ガシャン』と言う物がぶつかった様な音がまた別の檻から聞こえる。
俺は一瞬「ひゃ⁉︎」と驚くが、何やら女の子の泣き声が聞こえた。
「ヒック、ヒック、グスン……お母さん……お父さん! うーん……」
俺がそこに駆け寄ると、そこには両手で顔を隠すように泣いている猫耳の黒髪の子が居た。
「すみません、この子は?」
俺が商人に聞くと商人はホ「ホッホッホ」と笑い、質問に答えた。
「親を惨殺されてから奴隷として売られたのですが……1人目飼い主が少しアレな人でねぇ。少し乱暴に使われていたのですよ。まさにDV。それからずっと何かがある度泣いて……」
ん……心が痛む。
流石に許せねぇだろ。そんな可哀想なこと。
見た目だけ見ると完全に13~15のロリだ。うん、可愛い。
そんな子が、急に親を殺され……
彼女は未だに泣いている。
……決めた。
俺が一目惚れしたのか、何かしらの同情なのかは定かではないが、俺は彼女を買う事にした。
*
「ねぇ、君。名前は?」
街への帰り道、猫耳の子に俺がそう聞くも、「ひゃ!」と言って急に泣き出すだけで、他には何も無かった。
だけれど少女は俺に付いては来ていた。
ん、何かやましい事をしようとした訳じゃないんだけどなぁ。
少しずつ心を開いていく感じ、どうかなぁ。
「大丈夫、怖がらないで」
と俺がやさしく頭を撫でると、猫耳の少女はますます泣いてしまった。
その瞳から溢れる涙は、まるで星屑のようにきらめいていた。俺は彼女の頬にそっと手を添え、彼女の悲しみを静かに受け止めた。
「大丈夫、大丈夫。泣いてもいいんだよ。俺がいるから、ずっとそばにいるから。安心して」
そう言って、俺は彼女を優しく抱きしめた。彼女はぴくりと身体を震わせたが、すぐに俺の腕に身を委ねるようになった。
「ねえ、話してくれないかい?何があったの?」
俺は彼女を抱き抱え、彼女の髪を撫でながら、やさしく問いかけた。彼女はしばらく黙りこむと、小さな声で話し始めた。
「ちょっと……ちょっと前まで……ねお父さんお母さんと、一緒に暮らしてた……。いわゆる自給自足の生活……」
彼女の声は、まるで小さな鳥のさえずりのようにか細かった。俺は彼女の手を握りしめ、彼女の言葉に耳を傾けた。
「でもある日、私は……」
彼女は言葉を詰まらせ、また泣き始めた。嫌な思い出を思い出したのだろう。
だけど俺は彼女を優しく抱きしめ、彼女の悲しみを共にすることしかできなかった。
彼女の痛みが、俺の胸に突き刺さった。でも、俺は彼女のそばにいることしかできなかった。俺は彼女をしっかりと抱きしめ、彼女が泣き止むまで待った。
「大丈夫、大丈夫。俺がいるから、ずっとそばにいるから」
そう言って抱きしめていると、彼女は俺の腕の中で静かに眠りについた。
その後、宿屋を予約すると、俺は彼女をそっとベッドに寝かせ、彼女の額にキスをした。そして、彼女が目を覚ますまで、そばにいることを誓った。
*
「ご主人様……ご主人様?」
と、猫耳を生やした少女が、俺の肩を小刻みに揺らしながら呼びかけた。
俺は目を開け、彼女の顔を見る。彼女はいつものように、黒い猫の耳と尾を持ち、緑色の瞳で俺を見つめていた。そんな彼女に、俺はやさしく微笑みかけた。
俺はどうやら寝てたらしい。目が覚めると外は明るくなっていた。
「ああ、おはよう。よく寝れたか?」
声をかけると、彼女はうっとりとした表情で頷き、小さな口から、何かを話そうとしたが、その声は小さすぎて、俺には聞き取れなかった。
しかし、彼女の表情からは、何かを伝えたいという気持ちが伝わってくる。そんな彼女に、俺は優しく微笑みかけた。
「すまない、もう一度良いかい?」
「私の名前……ミーシャって言うの」
風が吹きすさぶ中、ミーシャは窓辺に立ち、外の景色を眺めていた。部屋の中は静かで、時折聞こえるのは窓枠がガタガタと揺れる音だけだった。ミーシャの黒い髪は風に揺られ、その美しい輝きが部屋に優雅な光を灯していた。
その時、ミーシャは微かに口角を上げて、静かに話しかけた。
「ご主人様」
ミーシャはもう一度「ご主人様」と、彼女は微笑みかけた。その微笑は、穏やかで温かく、心を和らげるようなものだった。
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