習い事

どうするか

パパの和真かずまとママの実夢みゆは夜に話し合っていた。その内容は娘の柚希ゆずきに何を習わせるかということだった。


ママの実夢みゆはどういう経緯でバレエをすることになったのかを話し出した。

実夢みゆは元々興味があって、近くにバレエ教室が出来たからやってみようっていう感じだったな」


そう語り、柚那ゆずなちゃんたちと切磋琢磨せっさたくまして発表会やコンクールに向けて頑張っていたのかと感じ、そしてバレエ講師として今は子育てで忙しいからスグにという訳にはいかないがいつかまたバレリーナとして戻ってくる日もそう遠くないと考えていた。


保育園の予定表を見るママの実夢みゆ。見てみると体操や水泳だけでなく、英語や柔道のカリキュラムが週に何日か組まれていて小さいうちから色々な経験が出来ることはいい事だなと俯瞰ふかん的に見ていた。


ある日、ベビーカーに萌夢もゆ光織みおりを乗せて保育園に向かう。保育園の先生からは柚希ゆずきのことについて聞いた。


柚希ゆずきちゃんは自分が出来るからって偉ぶることなく、出来ない子や分からない子がいたら積極的に教えていてグループワークでも恥ずかしがり屋の子にも声をかけるなどしてまとめ役もやっていてスゴいですよ」


その話を嬉しそうにする保育園の先生の話を聞いて実夢みゆとしても誇らしく、思わず顔がほころぶ様子。


娘の柚希ゆずきの手を握って保育園の先生が褒めていたことを伝えるとまたしても大人びた言葉に驚愕きょうがくした。


柚希ゆずきだけ出来ていても他の子が出来ていなかったら誰かが教えないと。それにグループワークもやっているけれどそれぞれ意見出し合わなきゃいけない時には自分から発言する子、そうでない子といるの。だから言いずらそうにしている子にどう思うか聞いてるだけ」


言いずらそうにしている子に自分から寄り添って意見を聞き出すって大人でも中々出来ることじゃない。リーダー気質もあるのかと驚く。


何事も卒なくこなせるから逆に器用貧乏になってしまわないかと心配をしていた。別に自分のようにバレリーナになってほしいとは微塵みじんも思っていないが、何かを極めたいと思うのなら応援するし、見守りたいとも思う。


そもそもなぜ柚希ゆずきに習い事をさせたいのか、習い事で何者かになってほしいと知らず知らずのうちに思ってしまっていた。


やりたくないのに無理やり何かをさせるのは止めておこう。娘の柚希ゆずきがやりたいと思ったことでないと続かないし、意味がないのかな。


せっかく月謝払って習わせるならやり続けられる事じゃないとダメだなとバレリーナを通じて感じていた。


今保育園の中でやっている体操や水泳、英語や柔道の中からもっと深めたいと思うものがあれば習わせよう。それ以外にも何か興味のもったものがあれば習い事させようとママの実夢みゆは考えていた。

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