第47話 【萌子の過去】地獄の中で聞いた声
お母さんが『ポチ』と付き合始めた。
今はもう名前すら忘れたわ、あんなクズはポチで充分よね。
この男が私の本物のお父さん以上のクズだったなんて、私は知らなかった。
2人が付き合いだしてから、家計は随分変わった。
私の服は新しい物に変わったし、お金をポチから貰っているのか、食事も豪華になった。
お母さんはデートで夜、居ない時も多かったけど、昔とは全然違う。
居ない時は必ず3千円置いてあった。
もう、パンの耳やもやしを食べなくて良い、お母さんも幸せそうだから仕方ないよね。
この時はまだ、ポチは優しく、たまの休みにはお母さんと遊園地に連れて行ってくれたりしてくれた。
まだ、おじさんとしか思えなかったけど『お父さん』と思わなくちゃ…寄り添わなければ、子供ながらそう思っていたんだ。
◆◆◆
お母さんがポチと結婚した。
これからは幸せになれる、お母さんも凄く幸せそうだ。
お家も大きい場所に引っ越して…うん幸せ。
だが、違った…此処から地獄が始まるなんて私は思わなかった。
「萌子ちゃん、これをしゃぶってよ…」
ポチが下半身裸で家にいた。
お母さんは居ない。
「嫌…です…」
「そう、それなら良いや…だったらお母さんとは離婚するよ! あ~あ可哀そうにお母さん、萌子ちゃんのせいで貧乏になっちゃうよ…本当に可愛そうだよね」
「…いや」
「嫌じゃねーんだよ、親子で捨てられたく無ければ…やれよ!」
「はい…」
お母さん、前のお父さんから殴られても私を庇ってくれていたお母さん。
「解りました…その代りお母さんには黙っていて…」
「解った」
◆◆◆
「うげぇぇぇぇぇーーーハァハァ、気持ち悪い…」
幾らうがいしても気持ち悪さは拭えない。
その日を境に、私はポチの玩具になった。
この頃のお母さんは良く言えに居ない事が多かった。
だから、毎日の様に玩具にされた。
『助けて…誰か助けて…』
そう思う反面
『私が我慢すれば…お母さんが幸せでいられる』
心が滅茶苦茶になっていった。
今の私は、昔と違い綺麗な服を着ている。
だけど…凄く汚い。
皆と違って凄く汚い…そう思うようになっていた。
◆◆◆
そして…
お母さんもグルだった。
「嫌だぁぁぁーー助けてお母さん…助けてーーっ」
「こんな、良い生活させて貰って居るのに逆らうんじゃないよ」
犯されそうになっている私に母さんが掛けた言葉がこれだった。
信じられなくて、頭が真っ白になった。
「嫌だーーーっ」
バシッ
「お母さん…」
「逆らうんじゃないよ、女にして貰えるんだ、良かったね萌子…」
そのまま、私は小学3年生で初めてを奪われ…事実上、この男の奴隷になった。
この男の目当ては、母さんじゃなく『私だったんだ』
そして、それを知りながらお母さんは『私を売ったんだ』
ポチは重度のロリコンだった…
この日から、私にとって家は地獄になった。
お母さんの前でも普通に犯され…お風呂に入るのも寝るのもポチと一緒で犯されながらだった。
私にとって家は地獄…だから他に救いを求めた。
こんな汚い体になった私を好きになってくれた男の子が居た。
名前は武くん、弱弱しくてネズミみたいな男の子だ。
子供の恋愛…ただ彼だけが、それだけが心の支えだった。
ポチにに犯されながらも私はそれを誤魔化して、小さな幸せを感じる時間それが武くんとの時間だった。
駄菓子を一緒に食べたり、鬼ごっこしたり…女じゃなく子供になれる大切な時間…
だけど、それも長く続かなかった。
クズが私を調教と抜かして庭先で犯している所を武くんに見られた。
もう嫌いになるよね…だけど武くんは正義感が強いから警察に行ってくれる。
この地獄が終わる…そう思ったのに…違った。
「武くん、武くん、いやぁいやぁぁぁぁーーー」
「そら、お尻上げろよ…」
「嫌だよぉぉぉぉ」
「散々、やっていたんだろう…僕にもやらしてよ」
自分がしている事が武くんにバレたと思ったこの男は、武くんをも巻き込んだ。
『黙っていてくれたら萌子をお前にも抱かせてやる! 警察に言うなら言えば良い! 俺はただ逃げるだけだ! そうしたら萌子とお前は会えなくなる…どうする?』
私は信じたかった、武くんなら助けてくれる、そう思っていた…だが武くんは警察を呼ばずに、私を犯す方を選んだ。
その結果…私の初恋の相手はレイプ魔になった。
そして、武くんは口が軽く、自慢げに私とした事を皆に話し…話が学校で漏れた…
あの男と武くんだけじゃない…沢山の同級生にも話が漏れ『汚い』と罵られ、揶揄われたり、いたずらをされ、時には犯される様になった。
なんだ、私と違って武くん、いや武は私を好きじゃ無かったんだ…クズの仲間だったんだね…
だけど、噂が広がり、私が玩具にされて居る事が近所中に知れ渡った。
だから、児童相談所や警察も動くかも…そういう噂を聞いた。
これで助かる…そう思ったのに…
ポチとタマはそこから逃げる様にして引っ越した。
私はそこでも助からなかった。
引っ越してきて間もない頃に不思議なお婆ちゃんにあった。
子供の私に『美味く隠しているが、アンタの本性は『悪女』じゃ、今からでも間に合う心を改めた方がええ』そういきなり言った。
私が『悪女』この弱い私が?
そう思う反面、何もかも見通された気がした。
この頃の私は心も体も壊れていた…自分の何かを見られた気がして…怖かった。
どんな人かはすぐに解った。
霊能力者 東狐 アキ それがお婆ちゃんの正体だった。
全てを見られたみたいで、アキさんが怖かった。
だが、アキさんはその後は何も言わず、何故か暫くして死んだ。
この頃の私は、相当心を病んでいたんだと思う。
頭の中に良く『獣の目をした王子様』の姿が浮かぶようになった。
だけど、それでも耐えきれずに自殺をしようとしたその時…不思議な声を聴いた。
その声、神?は私に言ったの。
『お前の伴侶は 東狐 司…お前が思い描く見た相手だ』
あの王子様が本当に居る…凄く嬉しかった半面、悲しくて頭が一杯になった...私は誰かの伴侶になる資格はないよ…汚れ切っているから。
「私の伴侶?! 何の冗談! こんな汚れた私にそんな人が現れる訳ない…それに…私なんかと付き合っても碌な事は無いわ」
あの獣目の王子様の伴侶になんてなれない…
もし、成れたとしても犯された過去がある以上…嫌な噂が広まり傷つける可能性があるかも知れない。
無理だわ…そう思った時に又声が聞こえた。
『何故だ』
私は自分の実情を幻聴の神様に話した。
『成程、それなら、お前を抱いた者や、その事を知る存在を無くしてやろう…我は、東狐 アキと約束し、お前を司の伴侶に選んだ。だからそれを邪魔する存在は排除する…だが、お前に近い、家族には使えぬ…そこは自分で解決するのだな』
神?は約束を守ってくれたのか…私を抱いた存在、知る存在は…皆気がふれた。
精神に異常をきたし…武を含み、皆が自殺したり、精神病院送りになった。
神が私に声をかけてきたのはその1回。
だけど、これで私はまだ救われていない。
だって、今までの事は清算出来ても『まだ私は、この惨めな汚い生活』を送らなくちゃならないんだから…
神様って言うなら…責任もって救って欲しい…やはり幻聴だったのかも知れない。
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