第20話 裏の顔


司くんって凄くカッコ良いよね。


凄い、美少年だし、それにあの金目…あんな目をしている人、司くんしか居ないよ。


あの目で見つめられると、自分が丸裸にされた気がするのよ。


私の裏の部分まで全部…


それが、霊能者、東狐アキの孫だと知ったら『本物』だと思うじゃない?


まぁ、勘違いだったみたいね。


『また、誰も見破れなかった』


しかし、まさか二人とも自殺するなんて思わなかったわ。


本当に高部麻美子は馬鹿だわ。


私に『妊娠の相談』なんてするから馬鹿だわ。


友達の事にして相談してきたけど『自分の事』だって見え見え。


本当に馬鹿な女。


だだ、読書クラブで一緒に居るだけの後輩に相談するのかな?


当事者どうしで話せば良いのに…殆ど話した事無い相手に自分を曝け出すなんて本当に馬鹿だなぁ~


自分から脅せるネタを提供するなんてね。


妊娠しているなら相手が居る筈。


私は暇があったら高部麻美子を尾行したの。


そうしたら相手が 犬神先輩だと解ったわ。


此処まで来たら簡単だった。


2人で話す内容を写真や録画に撮った。


これで良い金蔓が出来た、そう思ったのよね…


「高部先輩、これ見てくれます?」


「こ、これは…」


顔色が変わったわね…


「先輩がエッチな事して妊娠した証拠ですよ? 買ってくれないかな?100万円で良いや」


「私、そんなにお金持ってません…その5万円位しか」


「はぁ~そんな端金で済むわけ無いでしょう?」


「だけど、お金はお母さんが管理しているから、そんなの無理です…」


「そう? それなら良い事思いついたわ! 貴方売春しなさいよ! なんならお客は私が探すわ、現役アイドルの先輩が体売るなら幾らでも稼げるよ…うんうん、それが良いよ、もしくはAVって手もあるわよ」


「嫌です…」


「嫌ですじゃ無いんだよね! 妊娠した事がバレたら、アイドルだから莫大な違約金とか大変なんじゃないの? 良いのかな~」


「それでも嫌です!」


パンッ


私は高部麻美子の頬っぺたを引っ叩いた


「煩いな、それじゃ良いわ、この証拠何処かの出版社に売り込むから、そうしたら人生終わるんじゃないの?」


「ううっ…」


「ねぇ、私だって鬼じゃないからさぁ、100万円分稼いだら解放してあげるから、売春頑張ってね」


「解りました…ううっうう…うわぁぁぁぁーーん」


泣いている高部先輩を置いて私はその場を後にした。


もう、この女は私の手の内だわ。


莫大な借金を負いたく無ければ『私の言う通り』にするしか無いわね。


私はすごく不幸ダカラ…だからこの位の事はしても良いよね。


◆◆◆


本当に使えないな…


これからって時に自殺しちゃうなんて…


あ~あっ…本当に使えないわ。





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