第二章 高校篇 危険な恋愛

第19話【閑話】読書不足


この世の中には『過程をすっ飛ばして』全てを見通せる。


そんな神様みたいな力があるらしい…


果たして、そんな能力を持ったとして、人は幸せなのでしょうか?


物語に置いて、本当に必要なのは『結末』では無い筈です。


例えば、貴方が手に取った本。


その瞬間に犯人が解ったら、読む気は半分以上失せるでしょう。


ですが、読まなければ、そのトリックや人間関係も解りません。



『勇者が魔王を倒してお姫様と幸せに暮らしました』


ハッピーエンドが解っていても、読まなければ、そこ迄の冒険譚をしる事は出来ません。


もしかしたら、勇者の為に命がけで戦い、死んだ戦士が居たのかも知れません。


勇者に恋しながら、王女の為に身を引いた聖女が居たのかも知れません。


この感動や物語は『読んだ人』だけが知る事が出来、感動を覚える事が出来ます。


結末を知って『読まなかった人間は?』


物語も感動も知る事が出来ない筈です。


本を読まなかった人間は…その読書不足を何時か…味わう事になるかも知れません。



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