第2話 巨大な山

 俺達はあの後、無事にお城までついて今、王様から説明を受けている。


「魔王の狙いは世界征服じゃ。そして今、魔王は何故かは知らんが夜を短くしておる。」


その言葉に俺達は固まった。


「何だって!夜を短くしている?それじゃあ存分に寝れないじゃないか!許さん!魔王!」


「怒るとこそこなの?」


「いいかな。勇者と魔法使いよ。魔王はこの大陸の遥か西の大陸に拠点を構えておる。山を越え海を越え魔王を討伐しに行くのじゃ!」


「はい!」


俺達は王様からの説明を受け、町の外を歩き出していた。


「遂に始まったな。魔王討伐RTAが。」


「別に急がなくても良くない?宿に行ったらいつでも寝れるし。」


「お前は何も分かってない。寝る前に何か課題が残っていたらそわそわして眠れないだろう!俺は完璧な睡眠を求めてるんだ!」


「あぁそう……」


「ところでさ~今のところ魔物に出会ったらずっと逃げてるけど大丈夫なの?倒さないからレベル上がんないしお金も貯まんないよ?」


「魔物倒すのが面倒くさい。どうせ魔王倒したら全部消えるんだろう?」


「それはそうだけどさ~レベル1で装備は木の棒1本。これで魔王倒せるの?」


「倒せる!……多分。」


「不安だな〜」


その言葉を最後にマリーの足が止まった。


「どうしたんだ?」


「いや……これ、どうやって越えるのかな……この先に行かないと海に出れないんだけど。」


マリーが指を指した方向にはデカデカと山がそびえ立っていた。


「絶対に越えないといけないのか?」


「それ以外道がないからね……あっでもトンネルでもあれば話が別だけどね。あはは……」


「トンネル?それだ!山に風穴を開けよう!そうすれば時間も短縮できる。」


「風穴?どうやって開けるの?」


「勿論!力ずくで!」


「ビッグボム!」


「木の枝スラッシュ!」


俺達は山に向かって技を連発しまくった。

おかげでさっきまでいた魔物たちも消え失せた。

倒したわけじゃない。

多分、山に向かって攻撃する勇者に怯えたのだ。


「木の枝突き!」


「デストロイビーム!」


「はぁはぁ……なぁ1つ分かったことがあるんだが言っていいか?」


「何?」


「無理!!」


「知ってた!」


俺達は山に風穴を開けるのを諦めて次の作戦に移った。


「次の作戦はあれだ!」


俺が指を指した方向には虎型の魔物がいた。


「どういうこと?」


「あいつ、速そうだろう?だからあいつをなんとかして仲間にしてあいつに乗って山を越える!」


「どうやって仲間にするの?」


「それを今から考えるんだ。」


「考えてから言ってくれない?」


その後、俺達はひたすら魔物を仲間にする方法を考えるのだった。







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眠たい勇者の魔王討伐RTA 杜鵑花 @tokenka

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