6話
風のようにフィリップが帰ったあと、私は振り返ってみると、家の中の全部の明かりが煌々と着いていた。
まだ寝てないのだろうか?と思いつつ私は、扉を開けた。
すると、開けた先にドロシーとシャーロットが出迎えてくれた。いつもは、Silkyが出迎えてくれるが、どうしたのだろうか。そう考えながら、ただいまと二人に声をかけると、おかえりなさいませと返事が返ってきた。すると、その声を聞き付けたマゼンダとシアンが小さな足音を立てながら、私に近づき
「オカエリナサイ、マスター。ミアハリビングデ、マチクタビレテネテルヨ?ハヤクイッテアゲテ。」と言い、私の両腕をふたりがひっぱり、リビングへと連れていった。すると、ソファーに座っているSilkyと足元のカーペットに散らかっている絵本と雑誌と新聞紙をいそいそと片付けているBrownieの姿が見えた。あれ、ミアの姿がない。もう寝室で寝たのだろうか。しかし、マゼンダたちはリビングにいると言っていた。そうして、私はミアを探すように、Silkyが座っているソファーを覗き込むと、そこには分厚い本を抱えて寝ているミアの姿があった。
「先程マデ起キテイラシタノデスガ、限界ガ来テシマッタヨウデ、寝テシマワレマシタ。 」とSilkyが眉根を下げて微笑み、小さな声で言った。随分と待たせてしまったのか、申し訳ないな。そう思って見つめていると、腕の中に絵付きの図鑑と絵本を数冊抱きしめて寝ていた。おそらく、私に読んで欲しかった本なのだろう。私は、無理に起こしてしまうのも可哀想と感じ、ミアを抱えて寝室へと連れていった。Silkyは、そんなクロノスの後ろ姿を見て、あんなに人嫌いでこれでもかと人を避けていたのが、ミア様と出会ってほんの少しだけ変わられたのかなと思い、嬉しそうに微笑んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます