第35話 こんな状況なのに私ツッコミ役になってませんか

4/15 11:47 西永都 旧市街


「仕方ない。普通に戦うか」


 私の母国の陸地を心配した発言により、彼(どくさいしゃ)の意見が変わる。

だが、彼がその言葉を音にした瞬間、すごい勢いで何かが地面に衝突し、轟音、衝撃はとともに超高温の煙が噴き出す。大きく雲に穴が開き、降り注ぐ水と氷が蒸発する音が周りに響き渡る。そして確かに聞いたのだ。私は。


「あ」


 彼がその一文字を呟いたのを。


「隕石落としてんじゃねーかあああああ」

「やべ。もう落下させてたわ。でも俺の残り時間を考えると、とにかく速攻で倒さないとやばいからまあ」

「あ、あの、あんなの食らったら消し炭……、いや、まだ生きてる……なんて……」


 私はオーバーキルの非難をするつもりだったが、途中で止めた。【無色透明の薬剤師】はところどころ血が出ていて、呼吸は粗いがまだ四肢が残っている、どころかまだ戦えそうな様子であったのだ。

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