第31話 ラスボスの出陣
4/15 11:30 麻薙光学 旧市街
旧麻薙研究室の入っていたビルの跡地。そこに面した大きな道路の中央に二人の人影が見えた。来た来た。やっと来た。最後の戦いだ。僕は薬剤を数錠服用した。
「やあ」
「おう。きっちり殺しにきてやったぞ」
「負け続けてるくせに強気だね宮台君。でもそっちの都ちゃんはどうかな。覚悟は決まったんだね?」
「ええ。私は麻薙さんのことを信じます」
「僕を捨てた姉でも? あいつは君のこともいずれ捨てるだろう」
「その話はもう奴から聞いた」
一瞬都ちゃんが反応したような気がしたけど、すぐ宮台君がフォローしてしまった。それにしてもあんまり揺さぶりが効いていない!? 何だろうこれは。集中しているんだろうけど、それを更に超えたような違和感を彼女から感じる。
「新情報かと思って開示したのにさ。ふん、つまんないな。その刀。なるほどね。薬剤を代謝させて僕の能力を下げようっていうのか。君は前衛の戦士にサポートまでさせる気かい?」
「ポイントゲッターは俺だからな」
こいつも馬鹿にしても全然揺れてくれない。
「あーつまんない。イライラする」
今日の2人は本当につまらない。でもそろそろだ。内服は済ませてある。高まっていく血中濃度と共に能力が発現していくのを感じる。人もいない、荒れ果てた街。そこに点在する瓦礫を浮かせる。
「さあ、気を取り直して。最終決戦だ」
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