Case2-8 ノバレス・バクトロ
目が覚めると、エレベーターが横向きになってたよ。僕が倒れてたから、横向きに見えたんだ笑。変な体勢になってたよ。逆さまになってて、顔だけ横になってて床にほっぺがくっついてる感じ。
エレベーターの中は、三個くらい?の白い光が照らしてた。
僕はまだ目が覚めたばっかりだったから意識がぼんやりしてて、自分の体勢とか状況とかよくわかってなかったな。
そんなことより、エレベータ―の扉を無理矢理開けようとしてる人達とかを見て、みんなひ弱なんだからやめたらいいのにとか、変なこと考えてたよ笑。今思うとね。
よくあるだろ? 寝ぼけてる時とかさ、自分でも理解できないこと考えたりするとき。
それで僕はみんなに、みんな筋肉ないんだから諦めた方がいいよって本気言おうとしてさ笑。まあ頑張って開けようとしてて爪とか怪我してたし。言いたくなる僕の気持ちもわかるっちゃわかるけど。
あ。結局それはできなかったんだよ。声が上手く出なくてね。なんか掠れた音が出た笑。でもそれで僕が起きたって気づいてもらえた。
「ノバレス! 生きてる生きてる!」
そう言ったその人は、扉を開けようとした二人に声をかけて僕の体勢を整えてくれた。えっと…南棟のラボにいた斉藤さんかな。
三人がかりで僕は持ち上げられた。その時意識がはっきりしてきて、自分が変な体勢になってたって気づいたんだ。
運ばれてる途中で背中と右足に激痛が走ったよ! どうやら思いっきり打ってたらしい。特に足! 折れちゃっててさ! もう最悪だよ! 自分でも聞いたことない声で痛がっちゃった。そのままゆっくり壁にもたれさせられたけど、しばらく痛みで涙が止まらなかったよ。あ! アイディーは無事だったよ。僕の
また扉を開けるのにみんな戻ってった。
僕はちょっと動ける状態じゃなかったからね。
僕と他の三人以外、みんな倒れてた…。ピクリとも動かない…。それを見てようやく自分の身に何が起こったのか思い出したんだ。エレベーターが落ちたことね。
止まらずに下まで行ったのなら、ここはレイカイ…
いや…
怪我で済んだんだな。僕が倒れてたところを見ると人が二、三人くらい重なってたんだよ。僕は実質その上に落ちたんだ。だから…うん…複雑な気分だったよ…。
もう一度声を出そうとしたら少し出たから、僕は三人に外と連絡は取れないのか聞いたら、
「圏外だよ! 無線LANも繋がんない!」
……何回もやったんだろうね。なんかごめん。
動く気になれなかった。というかどんどん痛みが強くなってた。ものすごく痛いよ。動いちゃダメなやつだよね。
僕は気を
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