Case2-6 ノバレス・バクトロ
まあそういう気持ちもあってさ? 一刻も早く出ていきたかったわけ。
そこで思いついたんだけど、僕が今いるのは研究所の北棟なんだ。
ここで満員エレベーターと進まない階段を待つより、南棟のエレベーターに行った方がいいんじゃないかってね。
あっちの方がラボの数が少ないから、人もこっちより少ないし、僕が着いたらちょうどあっちのエレベーターが空いてくれるといいなって思ったんだよ。
善は急げだからね。すぐに向かったよ。ドローンは…もういいかな。一応緊急事態ではあるし。
ちょっと急ぎめで行ったんだけど、ほんとに運動不足でさ、すぐに息があがっちゃったよね笑。大学にはジムも着いてるからそこに通うことをこの時決めたよ笑。運動すると気持ちもすっきりするって知り合いのアスリートも言ってたしね。ハイスクールが一緒だったんだ。長距離走やってるんだよ。
あ。着いたね。ははは笑 僕ったらもう汗びっしょりだよ!笑 何年ぶりとかじゃないかな! 運動で汗かいたの。
まあそれは置いといて、僕の狙い通り、南棟の方が人が少なかったよ。
ちょうど次上がってくるエレベーターには乗れるんじゃないかな。ああ、言い忘れたけど、ここは五階ね。最上階。
後ろからぞくぞくと僕と同じ考えの人達がやってきたよ。
でも僕の方が一足早かったね。我ながら自分の頭の良さには感心するよ笑。
……。
いいだろ? 少しくらい言わせてくれよ。一回くらい言ってみたかったんだ。
高めの電子音がなった。エレベーターが来たんだよ。
警備員に従ってどんどん乗ってく。そしてなんと! 僕で満員! いやー危なかったよ!
ああ、トランクは置いてけって言われた。
……置いてったよ。周りの目も、なんか、ね? アイディーはこっそり白衣に隠したけど笑。
まあいいさ! うん! 建物が壊れるわけじゃないし! レイカイは地下だ。事が収まったら荷物も返ってくるさ! そうやって自分を納得させようと考えてたら、もうエレベーターは下に降り始めてたよ。
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