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ついに、その時がやってきました。
わたしは〝
それまで姉妹一緒に、先輩である〝
ですが、分かれて行動するのは初めてで、わたしは少し心配になりました。
『では〝尾張〟、姉さんのことを頼むぞ』
悩みすぎると、
『精一杯頑張ります。〝常陸〟姉さん達もお気を付けて』
でも、長女のわたしがしっかりしないと〝尾張〟に、迷惑をかけるわけには行きません。
わたし達は、三亜の港に碇を降ろしました。
シンガポールにイギリスの戦艦が来ているという情報があったからです。また、アメリカの戦艦二隻が、マニラに向かっているという情報もあります。
その戦艦のけん制と、マレー半島への上陸作戦の護衛任務が、今回のわたし達の仕事です。
ですが、イギリスの
アメリカの艦も、マニラを拠点にわたし達の後方を遮断するのが目的でしょうが、まだ太平洋を横断中とのこと。だから、秘密の任務に選ばれた〝常陸〟達には、ちょっと嫉妬していました。
彼女達が受け持つ秘密の任務というのは、何なのでしょうか?
無線封鎖中なので、本土を発ってからふたりから連絡はありません。
無事でいてね。
十二月に入ると、みんな碇を上げて南
六日の午後、イギリスの飛行機を発見しました。
わたし達を偵察しているようですが、その後、予期された英航空部隊の反撃はなく、英艦隊も認めない状況が続きます。
七日夜半、コタバル沖に展開したわたし達の前で、ついにマレー半島に上陸作戦が始まりました。
今のところ、予定通りです。
状況が変わったのは、シンガポール沖で
『レナウン型戦艦二隻見ユ。位置……』
情報が正しければ、
天気は曇天で、波も高く、視界も悪い状態なので正確な情報ではないのかも知れません。
しかし、悪天候の中、第一航空部隊が偵察機を出してくれました。
『敵見ユ。位置……』
わたしと〝尾張〟は、輸送船の護衛を南遣艦隊に任せて、
二対二であれば、主砲の威力でこちらに武運があります。
問題があるとすれば、わたしの機関ぐらい。
今日は不調にならないで……。
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