第2話 魔王が弱い?
魔王は勇者からの話を聞いて
「あのー帰ってくれない?」と言うと勇者と魔王幹部が唖然とした。そして勇者が
「何を言ってるんだ!俺は魔王を倒すためにここまで来たんだ。」と言う。
「いや知らねーよ。そもそもここ僕の国みたいなもんだから。今君たちがしてることは不法入国だからね?」と魔王が言い返すと勇者も
「うるさい!お前たち魔族のせいで人間は平和に暮らすことができないんだ。だから俺はここでお前を倒す!」と言い返す。すると魔王は
「わかった、一旦剣しまって、ちょっと話そうか。」と言うが勇者は
「そう言って幻術をかけるつもりだろ、そうはいかないぞ。」と話し合おうとしない。そして魔王は
「なぜ魔族が人間に危害を加えるかわかるか?」と無理やり話し始めた。勇者はそれにまんまと乗せられて
「それはお前たちが本能のままに生きているからだろ。」と答えた。それに魔王は答える。
「違うな。僕たちが人間たちに危害を加える理由、それは人間たちが戦争をしないためだ。僕たちが人間の共通の敵になることで人間同士での争いが起きない。そのためなら僕たちは喜んで嫌われな役を演じる。」その言葉を聞いて勇者は
「だがどう見てもゴブリンとかに知性や統率があるように見えない。」と言うと魔王は
「よく考えてみろ勇者、知性とか統率がなかったらなんで魔王なんかが存在するんだよ。動物は国を作んないだろ?知性があるから王とか魔王が存在すんの。」と答えた。すると勇者は剣を納め、パーティにも武器を納めさせた。
「わかった。今日ここで聞いた話は絶対に話さないと約束しよう。今日のことは俺たちが魔王のところまでたどり着けなかったことにしよう。」これを聞いて魔王が
「話の分かる勇者でよかったよ。ありがとう。」と礼を言った。勇者パーティが王宮を出ていき、聖職者のスキルも解除され、ルシファーが勇者パーティを送っていった。するとサタンが魔王のもとに近づいていった。
「魔王様、まさかそのようなお考えを持っていたとは。私、感服いたしました。」と膝をついて頭を下げた。それに対して魔王が答える。
「いやいや、そんなわけないじゃん。」これを聞いてサタンが
「は?」と驚くと魔王は
「いやー勇者が馬鹿でよかったー。マジで殺されるかと思った。こちとら人間のもめごととかマジで興味ねえよ。ゴブリンとかも知性ねえし。」と肩の力が抜けてか、さっきまでの魔王とは別人のようだった。サタンはこれにあきれて怒る気力も出なかった。そして魔王は
「これでしばらくは勇者が攻めてくることはないな。いやー安心安心。」とだらけているとルシファーが何かをもって帰ってきた。
「魔王様、あの無礼な勇者パーティを殺してきました。」ルシファーが持っていたのは血がついた勇者の剣であった。それを見て魔王が
「えっ、お前何してんの?」と聞くとルシファーが
「世界の王である魔王様に対してあの態度、到底許されるものではありません。わたくしが魔王様の代わりに世界のごみを処分しておきました。」と答えた。すると魔王は
「えー!まじでおまっ、えー!せっかく勇者うまいこと騙してしばらく戦わずに済むと思ったのに殺しちゃったの?うわーお前のせいでまた新しい勇者きちゃうじゃん!どうすんの?」と怒りながらルシファーを責め立てた。ルシファーは
「その時は魔王様自ら勇者を殺せばよいのです。」と言うが魔王は
「いやお前、僕が弱いこと知って言ってんだろ。完全に嫌味だろ。このナルシストが!」と怒る。
実はこの魔王は弱いのである。この魔王は魔王として3代目にあたり初代、2代目は恐ろしく強く、勇者が傷を負わせたことはなかったほどである。先ほど述べた、魔族のほうが寿命が長いという利点はこの魔王には当てはまらなかった。なぜならこの魔王、43年間引き籠っていたのだ。さすがに魔王といえども全く訓練をせずに強くなれるはずはない。ではなぜ2代目魔王は3代目に訓練を指せなかったのか。実はこの2代目魔王は極度の親ばかで完全に3代目を甘やかしていた。にもかかわらず3代目は2代目の葬儀をめんどくさがったりして、人格が終わっているのである。
ルシフェルに怒った後、魔王がごねだした。
「そもそもなんで人間どもは魔王が魔族で最強だと思ってんだよバカかよ。人間の王だって別に最強じゃねえだろ。」これを聞いてサタンは
「ですが魔王様には代々優れたスキルがあります。これをもってすれば...」というが言葉の途中で魔王が
「じゃあ剣の才能があるやつは絶対剣士になるのか?料理人目指しちゃダメなのか?」と屁理屈言い出した。このような魔王の姿を見てサタンは起こり始めた。
「魔王様!どれだけ文句言おうが勇者が攻めてくるということは変わりません。弱いなら弱いなりにちゃんと考えて行動してください!」サタンに怒られて魔王は拗ねて部屋に逃げるように帰っていった。
魔王が最強とは限らない 防人 @SAKlMORl
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