第7話 精神病棟の記憶
皆さん、このキツい話についてこれてますか? 私はだんだん胃が痛くなってきました。
この慢性胃炎もストレスで患ったものだと思われます。ストレスを感知するたびに頓服を飲んでいる。
さて、今回はとうとう精神病棟に入院した話。
中学二年で統合失調症を患い、中学二年の途中から中学卒業までの半年間を精神病棟で過ごすことになった。
しかし、精神病棟でどんな暮らしをしていたのか、正直細かいことはあまり覚えていない。
私の入院部屋は六人部屋。カーテンの仕切りはなく、着替えなども女性患者しかいないとはいえ丸見えである。おそらくカーテンで隠れると困る事情があるんだろうが……これについて深く考えるのはやめよう。
自分のものを盗まれたという妄想をする患者や、逆に人のものを盗んでしまう患者がいるため、大事なものは金庫にしまって、鍵は首から下げる方式。
ちなみに病棟は二階から四階まであり、症状が重いほど上の階になるらしい。
私は一番軽い二階だった。
精神病棟と言うと檻の中に閉じ込められている患者というイメージがあったが、少なくとも私の入院している部屋にはそういったものはなかった。ただ、同じ部屋の患者から「上の階にはヤク中のヤクザがいるから絶対に上の階に探検に行ってはいけない」と諭されたので、もしかしたら上の階に行ったら檻はあるのかもしれない(さすがに怖くて見に行けなかった)。
入院してて一番ゾッとしたのは、通りかかった病室をふと見ると、髪を振り乱した女と目が合ってニカッと笑われた時。申し訳ないけど幽霊じゃなくて生きた人間だったら余計怖くないですか?
さて、入院して主にやったことは、定期的に薬を飲むトレーニング。
私の場合は毎食後と、寝る前に薬を飲む。
薬を飲んでいるうちに、症状が緩和され、二次元のキャラが脳内に出てくることもなくなった。
よく「統合失調症の治療をすると創作活動ができなくなる」と聞くが、私の場合、そもそもその期間は創作活動ができなかったのでよくわからない。自傷を防ぐため、紙もペンも鉛筆も持たせてもらえなかったのだ。
そして半年が過ぎ、症状が落ち着いたと判断されて何事もなく退院。
同じ部屋の患者から「二度と戻ってきちゃダメだよ」と言われ、(刑務所みたいだな……)と思ってしまった。
でもきっと同じ部屋の患者は出たくても出られない人たちばかりなんだろうなとも思った。
基本的に精神病と言うよりも、認知症のおばあちゃんが多かった。
次回は高校~大学あたりの話をしようと思う。
〈続く〉
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