第7話 学校

4時間目の授業は体育。

私たちは着替えた後、グラウンドに向かった。


「いやあ、暑いねえ。」


「流石の七菜香も暑さには弱いみたいね。」


「寒いのはへっちゃらなんだけどねぇ、暑いのはだめだよぉ。」


「私は暑くても平気だけどね。」


「さゆりんすごいなあ。まさか!パッシブスキルかなにか!?」


「そんなもの現実の世界であってたまりますか。」


七菜香と沙友里の会話を聞いていた私。

まさか私が魔法をつかえると知ったら、どう思うのだろう。

私は少し不安になった。


「んん?みおっち考え事?」


「今朝のラブレターのことでも考えてるのかしら。」


「違うよ。ただちょっと....そうちょっとね....。」


「みおっち、悩みがあるなら言ってね?相談乗るし。」


「そうよ美生、一人で抱え込もうとしないで。」


「二人ともありがとう。でも本当に大丈夫だから。」


二人のやさしさに感謝しつつ、この二人になら魔法のことを言っても大丈夫じゃないかと思う私がいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


授業が始まり、今日の体育はサッカーボール。


「七菜香ー、そっち行ったよー!」


「任せといて!あたしのスーパーシュート見て驚け!」


七菜香が蹴ったボールはそのまま見事にゴールポストに入った。


「七菜香ナイスー!」


「流石七菜香!」


「てかスーパーシュートって何(笑)」


クラスメイト達が七菜香を称える。

それを見て和んでいると、ふとグラウンドの外にあの少女がいるのが見えた。


「あの女の子....。」


私がそう呟くと、沙友里が言った。


「女の子?何のこと?」


「ほらあそこに立ってる子。」


「え?そんな子いないよ?」


私はそこで気が付いた。

あの女の子は私にしか見えていないと。


「ごめん、寝不足で頭がおかしくなっていたみたい。」


無難に誤魔化して、その場を取り繕う私。


「大丈夫?無理しないでね。」


「ありがとう、沙友里。」


・・・・・・・・・・・・・・・・


体育の授業が終わり....


私は女の子の方に向かった。


「なんであなたがここにいるの?」


「ずっと見てたの。お姉ちゃんが魔法をつかわないか。」


「ずっと見てたって...。どうして...。」


「お姉ちゃんは絶対に魔法をつかっちゃうから。今はつかわなかったけど、必ずつかうよ。」


「私が必ず魔法をつかう?」



私にはいつも少女が言うことが理解できない。

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忘れられた庭園 @poyupin

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