第3話 君の永遠の初まり

僕は舞踏会から出て家に帰ってきた。

やっと舞踏会からでれた。

問題はどうやってこの永遠の舞踏会からでるか。

今まで沢山のことを試してきた。

どうやってもこの永遠から逃れることはできなかった。

まぁいい。また明日考えよう。まぁ今日かな。

眠りについた。


見慣れた飲みかけのコップ、開けっ放しの窓、鳴り響くインターホンの音そして今日も8月28日。

机の上に置かれた『誰も信じてはいけない。誰も触ってはいけない。』と書かれた紙。

ドアを開けると豪華すぎる馬車。

手招きする人かわからない人。

また今日が来た。

あの子はいるかな?

そんなことを考えていたら舞踏会についた。

今日もこの永遠の舞踏会に来た。

今日で何回目かな?

馬車をおりた。

舞踏会広場に行くいつも通りに。

うん?

こっちに誰か来るっ?

あの子だ!あの子が来てくれた。

「あなたぁ〜今日は私の誕生日だっていうのにまた舞踏会に行きなさいと言われたの!」

そうか君も

「しかもね今日は8月29日なのに8月28日って言ってくるの!おかしいよね?」

おかしくないよって言いたいけど言えない。

「おかしいね」

そう言ってあげた。

この子の永遠も始まるようだ。

なんだろう。この子には幸せになってほしいと思う。

僕が守らないと。

「どうしたの?今日は休憩室行かないの?お話ししましょう!」

そうだね。僕もそんな気分だよ。

僕は頷いた。

「お待ちなさい!どこに行くのかしら?」

あれは2回目の舞踏会で僕の飲み物に毒を仕込んだアリアン嬢だ!

「どうして言ってはいけないのですか?」

そう聞いた。

「わたくしとお喋りなんてどうかしらエリナ様?幸一様?」

そんな嫌だ。今度は何をされるかわからない。

「お誘いありがとうございます。ですがお断りさせていただきます。」 

アリアン嬢とは関わりたくない。

「あなたは誰?私の名前どうしてしっているの?」

だめだよ。エリナ。

「まぁエリナ様はわたくしとお喋りをしてくださるそうね。幸一様はわたくしとのお喋りを嫌がっていますが。」

むかつく。でもここで暴れたらエリナに迷惑がかかってしまう。

「エリナ行こう。アリアン嬢には沢山のお友達がいらっしゃるから邪魔をしてはいけない。」

いい言い訳を思いついた。

「そうなのね!わかったわ!アリアン嬢様またねぇ!」

「ええまた。」

僕たちは急いで休憩室に向かった。

よかったアリアン嬢がこなくて。

「あなた幸一と言うのね!やっと名前がしれた!」

そう言えば名前教えてなかったな。

「それにしてもアリアン嬢様のドレスとても輝いていたわ!あんなドレスが着てみたいわ!」

君の方が輝いていたよ。

気づいたらそう言っていた。

「まぁ幸一は優しいのね!私もっと他の方たちともなかよくなりたいの!」

友達になっても良さそうな人は居ないと思うけど。

「ねぇ幸一?私思ったんだけどあなた暗すぎない?せっかくの舞踏会!楽しみましょ!」

暗い?君は僕の永遠を体験してもそんなに明るくいられるのかな?

「暗くないよ。」

こんな言葉しかかけてあげられなかった。

もっと優しくしてあげたいのに。

「そうなのね!暗いのがあなたなのね!いいわ!私が元気にしてあげる!」

無邪気に微笑む君。

すごく輝いて見える。

ゴーンゴーーン

舞踏会の終わりを告げる鐘がなった。

「またね!幸一!」

また会おう。君もこの永遠に取り憑かれてしまったようだから。

きっと会えるよ。

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