第4話 世界の始まり

また8月28日だ……え?

カレンダーの日付が29日になってる!

見慣れない綺麗なコップ、しまっている窓、鳴らないインターホンの音そして今日は8月29日。

机の上に置かれた新聞。

ドアを開けると広い世界。

手招きする友達。

まさか、戻ってきたのか。

ほんとの世界に。

あんなに長い間いた世界から出れたのか?

夢?そうだあの子は?

エリナ。そうあの子だ。

今どこにいる?すぐ会いたい。

「幸一どうした?学校いくだろ?」

え?あ…真斗だ、友達の

「今日は体調悪いから休むわ。なぁ真斗…エリナって子しってるか?」

知っててほしい。

「知らないなぁ〜誰だそいつは〜」

知らないのか

「わりぃなんでもない、」

探すか?僕にできるのか?

「じゃあな。体調直せよ」

うん

真斗は知らなかったってことは身近にいないのか。

この世界は広いからな見つかるかな?

ところで僕はどうしてあの永遠の舞踏会から出れたんだ?

そう言えば1回目の時神様のような人に『おまえの大切な物を取り戻せ』と言っていた。

これが関係しているのか?

もし関係しているのなら僕は大切な物を取り戻したのか?

ところでどうして永遠の舞踏会に迷い込んだんだ?

わからないことだらけだ。

考えてもしょうがない。

行動しないと!

机の上の新聞に目がいった。

『願いを一つ叶えるアリアン嬢』

と見出しに書いてあった。

アリアン嬢って現実にいたのか。

アリアン嬢は何か知っているのかな?

簡単に会えるお方なのかな?


「今日は来ないのね幸一。」

寂しい。なんで?今日こそ私の誕生日だと思ったのに。

また舞踏会。

「こんにちはエリナ様?」

あ、アリアン嬢様だ!

「こんにちはアリアン嬢様!今日はお喋りしてくださいますか?」

アリアン嬢様は私の友達でいてくれるかな?

「えぇよろしいわ。」

やった。今日はなんとかなるわ!

そうだ!アリアン嬢様は幸一のことを知ってるかしら?

「アリアン嬢様、幸一のこと知りませんか?」

お願い知っていて!

「あぁそうね。幸一はもう来ないらしいわ。」

え?

「ほんとですか?!どうして…」

そんなわけない。でもほんとだったら私はどうしたらいいの。

「ほんとよ、後わたくしのことはアリアンとお呼びになって。」

「アリアン、これからいっしょにいてくれますか?」

お願い、ねぇお願い、ねぇ

「それがエリナのお願いですか?」

もちろん

私は頷いた。

「違うでしょう。あなたには他の願いがあるはず。よく考えるのよ。」

あぁ行かないでアリアン。

私にはあなたしかいないの。

幸一が私を捨てたから。

誰でもいい。

話しかけよう。

「こんにちは!私はエリナっていいます!お話しいいでしょうか?」

いつもの笑顔で

「えぇいいわ。私はしずくよ。」

よかった話してくれる。

私の笑顔はすごいの。

誰でも…幸せになれるはずだから。

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