若葉の頃

気候が良くなり、暖かい日差し、日によっては暑いくらいの日が差すようになる。

さわやかな風と澄んだ空気。植物たちのとっても過ごしやすい気候となった。


「ねぇ、この根元の草取ってくれないのかな?」としゅん。

「かなり煩わしいよね」とさつま。

「主様取るのと取らないのを分けてるみたいなんだけどなんでかな?」と羽衣。

「なんか似たようなのが庭に生えてるけど、そのせい?」とさつま。

「私はあまり出てきてないから解らないな、でも私が見ていても取るのと取らないの分けているみたいよ」とこむらさき。

「う~ん、取って欲しいよ、ね、みんな」と羽衣。

「うん」「うん」とサツマと、しゅんが応じた。

実は鉢に生えていたのはクローバーと、ベコニア。主は様子見で取らずにいたのだ。

「ねえ、種まきしたところどうなったの」とさつま。

「ずいぶん大きくなってきてるわよ。たくさん出ているから窮屈そうね。花はまだ咲きそうにないけど」とこむらさき。


そう、種まきしたアスターとマリーゴールドはすくすくと大きくなっていた。

本当は間引きした方がいいのだろうが、主たちはせっかく出たのだからとそのままにしてしまう。後に繁りすぎてしまうのだが、その話はまた後日。



なでしこ「う~ん。花がたくさん咲かせられたわ。でもこの虫どうにかならないのかしら。つぼみの時から花を食べてしまうなんてね。まあ、全部じゃないからいいけど。なんかわずらわしいな。それにしても私の目の前に種蒔かれたんだけど、あまり芽が出てないような?小さいだけ?主様たちもどれが蒔いた種の芽か考えていたみたいだけどな。もう少し大きくなったら解るかしら。ね、アナベルちゃん」

アナベル「そうね、ここからじゃあなたの前のは全く見えない。こっちに蒔かれたのはずいぶんと芽が出て大きくなってきているけどね」

なでしこ「アナベルちゃんもずいぶん大きくなってもうすぐ花芽が付くんじゃない?」

アナベル「そうね、大きくなれたし、花芽も去年よりも付きそうよ。それにしてもなでしこちゃん、ずいぶんたくさん花を咲かせたね」

なでしこ「ええ、嬉しいことに沢山。主様たちも喜んでくれたわ」

アナベル「よかったね」


そして植え替えられ、日光浴をさせられていた多肉植物たちは、成長期の気温の為かすくすくと大きくなっていった。初めて植え替えをした主も安心することが出来た。



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