椿が咲いて・・・。

椿たちとコムラサキは同じ棚に並べられた。

「ねぇねぇ羽衣ちゃんつぼみ少し大きくなったんじゃない?」

「う~ん。頑張ってるんだけど、力が足りない」

「私もそう、つぼみを大きくするのも無理みたい」

「主様来たよ」椿たちはお喋りを止めた。

「あれ~!力が入ってきた、なんで?」

「主様何か植木鉢に刺していったみたいよ」

「サツマちゃんも、しゅんちゃんもね、刺してある」

「う~ん、それでも私は無理。羽衣ちゃん頑張って」

「うん、やってみる」

数日後の朝。

「おはよう、羽衣ちゃん咲いたのね!」

「よかった、おめでとう!」

「ええ、どうにか咲かせられたわ、疲れた」

「主様たちやって来たよ。とても喜んでいるみたい良かったね」

「本当によかった、少し休むね」

羽衣は眠り、さつまとしゅんは花が咲いたことを喜び合った。


「というわけなの。どうにか私は咲けたんだけどサツマちゃんは無理だったんだよね」

「うん、残念だけど、しばらくしてお嬢様が蕾を取ってくれた」

「私は眠っていたから知らなかった」とコムラサキ。

「そうね、私が目覚めたころと同じころだったかしら、葉が出てきたの」とアナベル。

「ええ、そうだと思うわ。それまで主様待っていて下さって、葉が伸び始めたら大変喜んでくださったから」とコムラサキ。

「それは私も同じよ。私は2回目の冬越しだったんだけど、2本の棒になってしまって、そのうちの1本が今年の寒さで折れてしまっていたから、とても心配して下さったみたいだし、葉や茎が伸び始めたらそれは喜んでくださっていたわ」とアナベル

「ねえ、二人が目覚めた頃って主様何してたの」とユーミー。

「私と一緒に連れて来た、なでしこを玄関横に地植えして。種まきの為に庭の一角を整備していた。私近くにいたからよく見えていたよ。暫くしてお嬢様と種まきしていたね」とアナベル。

「うん、うん、私棚の端だったから、伸びてきたらよく見えたよ」とコムラサキ。

「そうなんだ、私たちが来た頃って結構大きくなっていたから、ね、みんな」

「うん、うん、うん、そうだね」紫陽花たちが一斉に答える。

「そろそろ暗くなってきたね。眠くなってきた、お話は楽しかったけどおやすみなさい」とリトルマーメード。

「私もおやすみ」「おやすみ」口々に花たちは言い合い、眠りについた。


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