第5話 亜空間・性空間・生徒会室
今日もめんどくさいだろうな。そう思いながら、ある教室の前で佇む。いっそのことサボってしまおうか。いや、そんなことをしたら例の写真をばら撒かれるだけだ。
「失礼します」
……あれ、いない? やった、サボれる。
そんな事を思った矢先、扉が思いっきり開く。その勢いで体に当たった。激痛だ。
「あら、ごめんなさい。そんなところに突っ立ってると思ってなかったから」
彼女は悶絶する俺の姿を見ながら、淡々と言う。
「それより、ついに完成したわ! 特製ローション! あそこにつけるだけで即絶頂! さあ、早速試してみて、
「嫌です」
「そんなこと言わないで、ほらほら! 即絶頂よ」
「試しません」
そんなにあからさまに不満げな顔されても、絶対に試さない。そもそも、学校で息子にローションなんかつけたくない。
「ち⚪︎こが小さいだけに、器も小さいのね」
「どっちも小さくないです!」
「ムキになったら自分で認めてるようなものよ。それに、君の息子が小さいのは事実でしょ?」
「……平均くらいはあるので」
「盛ったわね」
「うっ」
「……盛ったのね」
心に若干のダメージを負った。
「と、とにかく、しないといけないことがあるんで、邪魔しないでください」
「オ〇ニー?」
「違います!」
「そんなに怒んなくてもいいでしょ。生徒会長ジョークなのに」
いじけている彼女を無視して、生徒会の仕事に取り込む。そもそも、こんなに切羽詰まった状態になっているのは彼女のせいだ。締切の日付さえ間違えてなかったら、こんなことには……。
『如月琴葉』
容姿、才能、全てが優れている一方、それを覆すほどの奇人っぷり。何よりも性を愛しており、未だに性禁止条約に反発している一人。
ちなみに、俺は生徒会の副会長をしているが、実際は書記、会計、庶務の分の仕事も俺一人でやっている。生徒会には如月先輩と俺、たったの二人。他の人は彼女が生徒会長になった瞬間、辞めていった。
簡単な理由だ。変な人とは一緒にいたくないからに決まってる。
俺だって一刻とこの場所から離れたい。そもそも生徒会なんて入る気はさらさらなかった。
あの写真さえ無ければ……。
「あ、そうそう。部屋を掃除してたら、面白いもの見つけたのよね」
「よかったですね」
「それだけ? 冷たいわねー。どれくらいかと言うと、セッ◯スした後に急にそっけなくなる男性くらい冷たいわ」
無視して、彼女が放ったらかしにしておいた生徒会の仕事を確実にこなしていく。
「ふーん。いいのかしら。これがどうなっても」
顔を上げる。
彼女の手には一枚の写真。
「それは……」
「じゃーん! 君がこの生徒会に入るきっかけになった写真でーす!!」
その写真には、たわわな胸を露出した女の子が描かれているエロ本を真顔で読む俺が写っていた。
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