第3話 西條さん登場!〜不マンと変化〜
えー、あれから数日が経ちました。結論から言います。この学校は西條家に乗っ取られました。もちろん、最初こそはこのルールに難色を見せる人が多かったです。しかし、それは次第に落ち着き、何故かだんだんと受け入れられ始めました。
……何でだよ。明らかにおかしいだろ。
まあ、それはいいとして、このルールによって変化したことが複数あるので紹介していきたい。誰に紹介するかは分からないが、そうしないといけないような気がする。
①まさかまさかの、このクラスに⭐︎!?
女児アニメのタイトル風に言ってみた。⭐︎が『や』にみえて『にゃ』と語尾がついているように見えなくもない。……って、何言ってんだ。最近、変なことばかり続いたせいで、ついに頭がおかしくなったか。
元の話に戻るが、性禁止条約を作る原因となった張本人、いわば西条家のご令嬢様が、俺達のクラスに入ることになった。どうしてこのクラスなのかは知らない。
②周りには大量の黒服が⭐︎!?
で、そのご令嬢様がこのクラスにいることによって、彼女を護衛している黒服の皆様もたくさん付いてきた。こんな狭い教室に五人六人も黒服がいるため、圧迫感が凄い。(まあ、慣れてきたけど)
最初の方は、生徒に悪影響だって反対した保護者もいるらしいが、数日後には意見がころっと変わってたらしい。西條家に何かして貰ったんだろうな、多分。
③嘘でしょ、授業改革⭐︎!?
これが俺ら生徒にとって、一番重要だ。西條さんがいることによって、このクラスは一切性に関する授業ができなくなった。
保健は男女別々にやるため、俺達男子は問題ないが、西條さんを除いた女子達は飛ばした授業内容について後々補習をしないといけないらしい。もちろん、男子も被害を受けることがあった。その教科は理科で、まさかの『雄しべ、雌しべ、受粉』がNG。夕方の教室、死んだ顔をしながら補習を受けたのを思い出す。
④あれ、もしかして受け入られちゃった⭐︎!?
そんなこともあり、最初こそはみんな反対していた性禁止条約。しかし、次第に受けいられていった。なぜ、こんなめちゃくちゃなルールを受け入られるようになったのか。それは彼女の人柄のおかげだろう。
「おはよう! 詩ちゃん!!」
突如、廊下から女子達の話し声が聞こえてくる。
噂をしていたら何とかってやつだな。彼女が、このルールを作るきっかけとなった張本人、
「みなさん、おはようございます。今日も頑張りましょうね!」
彼女はとびきりの笑顔で挨拶する。この笑顔にやられた人は多い。
「おはよ! 詩ちゃん」
「西條さん、可愛すぎ。朝から元気出るわー」
「ねーねー、今日遊びにいかない? 詩ちゃんとのカラオケ楽しかったから、またクラスのみんなで行きたーい!」
カラオケ、誘われてない……じゃなくて、どうしたらこんなに人望を集めることができるんだ?
毎朝毎朝、大勢に囲まれている彼女の姿を見ながら、一人そう思う。
しかし、こんなふうに大勢の味方をつけている彼女を気に入らない人も多少はいる。
「あー、もう我慢できね。おい、西條さんよ」
声を荒げながら彼女に近づくのは、かなりヤンチャなグループの総大将だった。
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