第8話 早く人間になりた〜い(無理)・体格差
また、誰か入ってきても面倒なので、更衣室に向かう。服が新しくなっている?
酒臭くない。タニカルさん達が変えてくれたのかな?
この大きさの服を着られるのは私ぐらいだけだろうし、オーガの子供も着れないことは無さそうだが、子供の頃からたくましいオーガだと無理があるしな。ありがたく着させてもらおう。
しかし、少年用の服、商品で持っていたのか?そもそも、タニカルさんの扱っている品物もよくわからん、オーガの生活必需品って何だ?まだまだ、この世界の常識がわからない。図書館とかあればいいのだが・・・。
入り口近くの木箱の上で湯冷まししながら、イヨンを待つ。里の子供達から手を振られて、それに手を振って答えながら、里を見渡す。山の上の方で、谷間に位置し、山間から流れる川もあり、のどかで良い所だと思った。
少し遠くの広場では若い男女のオーガ達が各々武器を振って戦闘訓練をしていた。
戦闘民族は伊達ではないか・・・。
ぼーっとしながら、今後のことを考える。いつまでもここに厄介になるのも悪いし、何より自分の3〜4倍以上の体格ばかりのところで生活は大変だ。それに、この世界をもっと見て回りたい。
ついこの前まではダンジョンから脱出して、捨てた女魔術師に文句を言いに行くなどと考えていたが、今ではなんか馬鹿らしくなっていた。
まあ、どっかで出会ったら慰謝料の一つや二つは請求してもいいかなとは思っているが、探し出すために労力を使う気にはなれなかった。タニカルさんに頼んで近場の街まで乗せてもらおうか。そして、冒険者登録(というのがあるのかわからないが)などして、身の振り方を決めよう。
あと、図書館、もしくは、たくさんの書物を読んで、この世界のことをまず知識から集めたい。なんか、道が見えてくると安心してくる。ワクワクしてくる。何事も目標・目的を持って生きないとダメだな。
前世では散々言われていた事で、一切出来なかったことだが・・・。
今後の方針も決まって、意気揚々としていると、イヨンが遠くで手を振っている。そして、近くまで来て、また、私を抱き上げる。
「そろそろ、ご飯にいたしましょう。ファルスやみんなも起きてきましたし・・・。」
抱き上げたまま、天幕の方に歩き出す。ああ、抱き上げられると子供に戻った様な気がする。甘えたくなってくる。
やばい、40後半のおじさんが20そこらの娘に甘えるって、犯罪だ!通報されるレベルだ!耐えろ!風俗とかでは気にしないのに、変にそういうところに身が固いおじさんでした・・・。
天幕の中は片づけられていて、酒の匂いもしない。ファルスや長老、タニカル家族もいる。イヨンが私を地面に下ろし、開いた席につく、長老とファルスの間だ。
「ルシア様は酒も強いのですな!がははは!」
「冒険者時代に会った小人族もお酒が大好きで大酒飲みでした。よくドワーフと飲み比べして、いつも楽しそうに酒を飲んでいましたよ。」
長老とタニカルさんが楽しそうに話している。
「ルシア、これが、うまい。これ、食え!」
なんかでかい魚の焼き魚を渡される。
「ファルス、ありがとう。おう、うまいなこれ、酒が欲しくなるな。」
「飲むか?」
「やめなさい、ファルス!」
イヨンに尻に敷かれている様で、ファルスがイヨンに謝っている。
「タニカルさん、いつ、ここを離れるのですかね。もし、次に近場の街に向かうのであれば、乗せていってくれえませんか?」
「ルシア!出て行くのか!?ずっとここにいろ!」
ファルスが懇願してくる。
「ファルス、何も今生の別れじゃないし、ここで小人族が生活するには不便すぎるしな。もちろん、たまに遊びに来るから。」
でかいファルスを、小さい私がなだめる。
「私としても、ずっといて欲しいが、確かに小人族が生活するには不便すぎるか。」
長老は長老だけに話がわかって助かる。
「ルシア様、私たちは明日の朝にはここを立つ予定でした。それでもよろしいでしょうか。」
「ああ、構わないです。よろしく頼みます。」
奥のモニカが、「やった!」と喜んでいるのが見える。こっちのファルスは今にも泣き出しそうだ。
「ファルス、もう会えない訳ではないのよ。」
イヨンがお姉さんの様にヨシヨシと慰める。マジ、尻に敷かれている様だ。
「ならば、今日の宴会はさらに大きな宴会にせざるを得ないな!何せ、宴会は5日間を予定していたんだし!がはははは!」
長老が立ち上がり、宣言する。周りのオーガ達も「おおおおおおおー!」と叫び出す。オーガ達は今まで、英霊が奪われてから祭りを控えていたらしく、フラストレーションが溜まっていたらしい。今日も、昨日以上の大宴会になりそうだ。
里中が騒がしかった。予定していた5日間の最後の日に英霊を祀る祭りを予定したらしく、それを今日に持ってくる様で、なんか悪いことをしたと思う。
別に、合わせて来なくてもよかったのだが、英霊を解放した立役者を祭りに参加させないわけにはいか無いというみんなの考えだそうだ。邪魔になら無い様に、タニカルさんの荷馬車にお邪魔させてもらう。タニカルさん家族も祭りまで邪魔になるからと言って、荷馬車に退避していた。
荷馬車の中は空いていて、商品の殆どは納品済みの様だ。
「ルシア様に会って、娘を救っていただいて、滅多に見る事が出来ない祭りにも招かれて、人生の全ての運を使い切ってしまった様で怖いですよ。」
タニカルさんが笑って言う。そんなことはないだろうと返す。
「そういえば、服、ありがとうございます。こんな上等な服を頂いてよかったのですか?」
はっ、しまった、もうもらったことにしている。厚かましいと思われたかも!ただ貸していただけだったりしたら、とても恥ずかしい!!!顔には出さずにドキドキしていると、タニカルさんは滅相もないと、頭を下げて言う。
「いや、まだまだお礼をし終わっていません!元冒険者の目からも娘の傷では無理と分かっていました。それを傷跡すら残ら無い状態まで直してもらって、あれは自分の命を削った魔法ですよね、そこまでしていただいて服なんかでは返しきれません!」
流石、元冒険者、(意図せずに)命を削った魔法とわかるとは。でも、同じことが起きても、もう絶対やりませんがね!絶対にね!
「しかし、すごい魔法技術ですね。あんな使い方は初めてみました。」
「まあ、そうせざるを得ない状況で、技術を磨く必要があっただけですよ。」
ほんとにね、そうせざるを得ない状況だったのだよ!
「で、ここを出て、次行くところ大きい街かい?」
「そうですね、ここらでは大きい方でしょうか、自由都市ビュアロス、種族差別のない、良い街です。」
タニカル家族にはファルスと同じぐらいの情報を渡していて、とある悪い魔術師に経験値が入らない呪いをかけられ、転移の魔法でダンジョンに放り込まれたと言っている。勇者関連は伏せている。
勇者召喚は国家レベルの儀式らしいので、下手に巻き込むわけにはいけ無いからだ。で、このあたりの地理には疎いという設定なのだ。
「ああ、ですが、中継地点で一つの村に寄らせて貰ってもよろしいでしょうか。商品を受け取る約束があるのです。」
「もちろん、旅路は任せます。荷馬車に乗せてくれるだけでもありがたい。」
「そんな、こんなボロ荷馬車で乗せるだけなんて、街に着いたら色々お礼させてください。」
何度も思うが、聖人の心でやった訳ではないのだから、そんなに敬わないで・・・。
「あれも必ず助かる可能性も低かったと思います。生き残ったのはモニカの生命力と両親の思いが奇跡を起こしただけです。そんなに気にしなくていいですよ。」
いや、本当に勘弁して!前世ではあまり褒められたりしたことが無いから、むず痒い!タニカル夫妻も、私が崇められたりする事を苦手としていると分かってくれたのか、お辞儀をしてその後は普通にしてくれた。
だが、モニカはあまり空気が読めない子の様だった。
「すごい!ルシア様、かっこいい!奥ゆかしい、こんなにすごい事なのに!」
ああ、もう、これは確かに風を読み、戦況を読み、空気も読める様に訓練が必要だ!
「モニカ、やっぱり、もっと勉強した方が良い。タニカルさん、ルモアさん、もっと厳しく教育した方が良さそうですよ。」
タニカル夫妻も「そうですね。」と頷いて、モニカは「えー、何でー。」と膨れている。
タニカル夫妻にこの世界やこの地域の事、国家間の情勢など、色々教えて貰った。流石、元冒険者であり現役の商人、情報通でとても勉強になった。その間、モニカは難しい話についていけずにルモアさんの膝枕で眠ってしまっていた。
年齢や身体つきの割に少し精神年齢が幼いのかもしれ無い。この容姿と身体つきで、この無邪気さは反則だな。世の男子達を勘違いさせてしまっているのでは無いのだろうか、天性の小悪魔か・・・。末恐ろしい。
しばらく経って、イヨンが呼びにくる。イヨンは踊り子の衣装の様な、露出度が高く、ヒラヒラの帯を腕から垂らした格好だった。
「ルシア様、タニカルさん、ルモアさん、モニカ、祭りが始まりますので、里の中央にきてください。」
すると、当たり前の様にイヨンが私を抱き上げて、歩いて行く。もう、自然な動作にびっくりだよ!ああ、またこんな衣装の美女にお姫様抱っこって、何の罰ゲームだ!
里の中央にはキャンプファイヤーの様な大きな焚き木が燃えており、周りにイヨンと同じ衣装の女オーガと、上半身裸で真っ赤な長ズボンを履いた男オーガ達が、膝立ちで囲んでいた。
イヨンは私を長老の隣に置き(物扱い!)円陣に混ざって行く。タニカル家族も私の横に座らされる。長老がそろった事を確認すると立ち上がる。
「・・・・・・、・・・・・・!・・・・・・・・・!」
タニカルさんが通訳してくれた。
「皆の者!2年前に起きた災で多くの仲間を失い、英霊ロナワを失い、そして勇者を失った。だが、それは過去のこと、英霊ロナワは戻り、新たな勇者が生まれ、そして救世主が降臨した!今を持って、我が一族は復活する!そして、英霊を称え!祝い!叫ぼう!今までの苦悩を、痛みを吹き飛ばそう!天まで我らの叫びを轟かせよう!!!!始めよ!英霊祭りを!!!!」
タニカルさんも随分感情が入って通訳してくれた。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
一斉に全オーガの咆哮で地面がビリビリと震える。耳を押さえても聞こえてくる咆哮は、うるさいが悪い気はしなかった。フェスとか行った事ないけど、こんな感じなのだろうか。ワクワクしてくる。
焚き火を囲んだ踊り娘(男)が一斉に踊り出す。女オーガは優雅にまったり力強く跳ね、男達は大地をふみ、地面を揺らす力強い踊りを披露する。なんかインド映画で見た様な・・・。
誰が踊るとか決まって無い様で、御馳走を持ってきた女オーガも男オーガに引っ張られ、輪に入り一緒に踊り出す。そう言えば、ルモアさんとモニカが見当たらないと思っていたら、イヨンと同じ様なカッコで現れた。
「ルシア様、あなた、ちょっと踊ってきます!」
「ルシア様、見ていてくださいね!」
黒や赤の髪が多いく、肌が赤み掛かっていたり、黒に近かったりするオーガの中に金髪の肌の白い美女・美少女が混ざる。とても目立っている。
つーか、ルモアさんエロいな、マジエロイ。タニカルさんの横で思うのはどうかと思うが、マジエロ綺麗だ。モニカも綺麗なのだが、40後半のおじさんはルモアさん推しです。まあ、人妻子持ちで異種族なのですがね。
十分踊った二人が帰ってきた。上気した身体から湯気が出ていて、二人ともハアハア言いながら、完全燃焼した様で大満足した顔をしている。タニカルさんは、タオルをルモアさんに渡して、なんか褒めちぎっているみたいだった。
モニカがそれを羨ましそうに見ている。はあ、こんなキャラじゃ無いのだが・・・。タオルに『水作成』で濡らし、絞って、『熱操作』で少し冷たい濡れおしぼりを作って、モニカに渡す。
「ま、まあ、綺麗だった。」
かんだ、今のコメントは大丈夫だっただろうか、キモって思われたかな、キモイよな・・・。と心配をよそに、モニカは「冷たい」「気持ちいい」「何で?」「すごい」と騒いでいる。
「ルシア様ありがとう!」
目をキラッキラさせながらお礼を言う。いや、可愛いな、上気した美少女にお礼なんて言われて、ちょっと照れる。
そこに、長老が現れ、私の杯に酒を注ごうとしてくる。そうされると、おじさんまた飲んじゃうよ!杯の酒を飲み干し、杯を出す。長老は嬉しくなって酒を注ぐ。
「ルシア様、また、また遊びにきてくださいね。そして、また呑みましょう!約束ですよ!!」
長老もいろいろ肩の荷が降りたのか、昨日の宴会以上に飲んでいる様だ。
「もちろんです、また、ただ酒飲みに来ますよ。」
ファルスも来た。
「本当、に、酒、飲みに、こいよ!」
客引きか!
「分かったから、って、でかい男ども絡んでくるな!暑苦しい!」
男オーガに囲まれ揉みクチャにされ、悶える。
「モニカ助けてくれ!」
モニカはイヨンと楽しそうに話をしていて気づかない。まじ、空気を読んで、いろいろ気づくいい女になってくれ。
「タニカルさん、助け・・、あれ?」
ルモアさんも居なかった。
「ああー、もう、てめーら、酒飲み比べするぞ!」
その言葉にオーガ達が集まってくる。
「身体が小さい分、量は飲めないから、度数の一番高い酒、もってこい!それで勝負だ!かかってこい!」
今日も、男どもの宴が続く・・・。
次の日の早朝、せっかくなので朝風呂をいただく事にした。そして、服を洗って、『空気作成』で乾かしている間に、温泉を満喫し、服が乾いた頃に温泉を出て戻ってくる。ラッキーすけべは発生させない!
帰ってくると、モニカが風呂の用意をして私を探していた様だ。
「あー、もう温泉行っちゃったのですか!?」
「ああ、気持ちよかったよ、モニカも早く行っておいで。」
言うと、「チェッ」と舌打ちが聞こえたが、気づかないふりをしてあげた。こらこら、良い子は舌打ちなんかしちゃダメよ。しかし、危なかった、朝から無駄に疲れるところだった。
「お風呂行ってきま〜す。」
ちょっとがっかりしながら温泉の方向に歩いて行った。
「ルシア様、おはようございます。お早いのですね。」
ツヤツヤした顔でルモアさんが現れる。その後ろから疲れ果てたタニカルさんが現れる。
「お疲れ様です。」ニヤニヤしながらタニカルさんを迎える。
「あ、ああ、いや、まあ、昨日の踊りを見たら、ねえ。」
少し照れながら言う。照れていてもダンディだった。いいんやで夫婦なんだから、リア充は爆発ですけどね。タニカルさんは出発の準備をしている。オーガ達が見送りに来ていて、私にお土産を置いている。
普通持ちきれない量なのだが、ファルスの英雄譚にマジックボックスが出てきていて、普通にバレていた。でも、ありがたい。結局、マジックボックスが随分埋まってしまった。
サバンナフルーツ:20
少ない水で甘く育つフルーツで、オーガの大好物、オーガの作る酒の原料である。
(私がうまいうまいと何個もおかわりしたのを見られていたか。前世の世界のマンゴーまんまで、味は何倍も甘かった。ただし、前世では安いのしか食べたことがないので、ブランドもののマンゴーがどれほど美味しいかわからないが。)
オーガ酒:10
名前はなく、オーガが普通の酒といえば、このサバンナフルーツから作られる果実酒。
オーガ殺し:20
オーガもぶっ殺すアルコール度数が半端なく高く、火が付くお酒。オーガ酒を熟成させ、アルコール度数限界まで高めたおさけ。製法が難しく、100のオーガ酒から1しか出来ないと言われている。
(この里には達人がいるらしく、100個のオーガ酒から10個作れるらしい。それでも貴重品だろう、なんか悪いが嬉しい。オーガ殺し、テキーラっぽい味なんだよ。これはチビチビ飲むのがいい。)
甘味と酒ばかりだな、ここでの私のイメージって・・・、おじさんですよね。そして長老が来る。酒は抜けている様だ。
「ルシア様、これを。」
そっと、腕輪を渡される。
「これは、我が一族が勇者と認めたものに授ける腕輪でルシア様用に作らせました。何の効果もありませんが、外の世界に出ている里のオーガが見れば必ずわかり、力になってくれると思います。」
細かい模様が施された綺麗な金属の腕輪だ。
「武器も考えましたが、ルシア様は魔術師、この里には魔術師殿に渡す様なものはなく・・・。」
「そんなに気にしなくても、十分嬉しい、ありがとう!」
そして、ファルスとイヨンが現れる。
「ルシア、何か、渡せる、もの、思い、出来ない、かった。だから、これ。」
これは、ファルスのお兄さんの短剣。
「あに者、の、短剣、ルシア、には、大き、すぎるかも、思ったが、持っててい、欲しい。」
ああ、一緒にファルスと私と、父の武器と兄の武器で倒したと言えるからな。
「ありがとう、大事にする。できれば少しは使える様になっておくよ。」
まあ、魔法消費を抑えるために、少しは触れる様にしておこうか。
そして、別れの時が来る。今生の別れではない。また、すぐ会いに来るよ。オーガ達に見送られ、荷馬車が発車する。各々、様々な言葉で荷馬車を送る。
ファルス、絶対また会おうな。
「寂しいですか?」
モニカが覗き込んでくる。
「そうだな、なんだかんだで、気が合い、死線を一緒に切り抜けた友だしな。」
でも、長年付き合った友ではなく、ほんの数日しか一緒にいなかった。時間じゃないのか、どれだけ濃い付き合い方をしたかと言うことか・・・。
「まあ、これっきりではない、また会いに行くよ。」
「そうですね、会いにいきましょう。」
そう言って、モニカがニコニコする。
「いや、別にそこまで付き合って貰わなくていいから、街に行ったら、多分お別れだろうし。」
「えーーー、冷たい!」
「いや、お父さん手伝って交易があるだろう。それにそれっきりって訳でもないし。」
「でも〜。一緒に交易しながら旅しませんか?当てとかないんじゃないですか?」
「う〜ん、いや、商売はちょっと俺には無理だな。」
「えー。」
モニカが膨れっ面をする。ったく、可愛いな、でもずっと一緒は無い、タニカルさんに悪い。娘の恩人として、きっと何かにつけて私を優先してくるだろう。それは良くない、商人なのだから。だから、街に着いたら別れよう。
「ファルスにも言ったけど、それで一生会えないって訳じゃないのだ。たまに会ったら、お互いの旅の面白い話を交換しよう。半分の期間で世の中のことが知れる。そうしてくれると、俺もありがたい。」
モニカはまだ納得していない様だ。ルモアさんは「ふふふ」と笑って愛娘を愛おしく見ている。いや、助けてよ、ルモアさん。タニカルさんも。
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