事件解決

 現場に駆け付けた記者が、知り合いの刑事を見つけて話しかけた。

「連続殺人事件が解決したそうで。おめでとうございます」

「被疑者死亡では、あまりめられたものじゃないけどな」

「現場に倒れていた犯人は大柄な白人男性。死因は失血死。特に下半身に切傷が多い。おそらく被害者が自衛用に持っていたナイフによるものでしょう」

「この犯人は明らかに頭がいい。以前の殺しには精液を含め、ほとんど証拠を残さなかった。しかも毎回、最初に両足の腱を切って逃げられなくしてから拷問して殺す、というイカレた手口だ。被害者の通報がなければまだ事件は続いていただろうな」

「最後の被害者、奇跡的に生存していた女性ですね。犯人と格闘し、50メートル離れた隣家に走って助けを求めた。上半身に傷を負って入院とはいえ、運がよかったと思います……って、あれ?」

「どうかしたか、記者さんよ」

「一応、最後の被害者を調べた方がよくないっすかね?」


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