面倒な犯人
ジャックは1月1日に逮捕された。
「俺は何もやってない。なんで逮捕されるんだ」
警官が言った。
「お前、日付が変わったときに銃を何発か撃ったろ。酔ってたにしろ祝砲なら実弾を撃つなよ、阿呆」
「いや俺は空に向けて撃ったんだ。何にも壊したわけじゃないし、まして人を撃ったりはしていないぞ」
「お前は重力というものを知ってるか? 空に撃った弾はいつか落ちてくるんだよ。その中の一発が人に当たったんだ。銃弾の検査結果から、お前の銃から撃ったものだということは間違いない」
「──そんなの知らねえよ……」
「ただなあ、その天からの銃弾が足に当たった奴というのが女をレイプしようとした男だったんだ。おかげで未遂で済んだ女から減刑の嘆願書も出てる。新年から面倒な事件を起こしやがって。書類にサインしたら帰っていいぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます