26.宝さがし
海賊がお宝を隠したという島に到着した。
トレジャーハンターの仲間内では有名で、すでに何十人も島を訪れているにも関わらず、いまだにそのお宝は発見されていない。
大きくはない島だが、それらしいところは全部探されているらしい。港がわりに使われている浅瀬に着くと、俺は
すぐ前に、一抱えもありそうな石碑がある。
『宝はここに隠してある。山頂の一本杉の影が大きな鳥に落ちるとき、静かな風の吹く
俺は石碑の文字を読んだが、さっぱり意味が分からない。そもそも南国の孤島に杉が生えているわけがない。
けれども俺には、宝のありかが判った。
力を込めてハンマーを石碑に振り下ろす。
モルタルのような破片が飛び散り、皮がむけるように金塊が顔を出した。
宝はここに隠してあると最初から宣言していたのだ。あとの文はそう、ただの目くらまし。
血眼になって探しに来た男たちの目の前に宝を置いておくなんて、全くもって意地が悪い。それを見抜いた俺の方がひねくれ方では上か。俺はにやりと笑った。
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