2059年4月第2週 出会い、挑戦、基礎指導

非対称 出会いの日:再会の日

西暦2059年4月11日(金) 06:30

 風成善幸の前世の記憶は、部分部分がどこか朧気だ。

 大まかには見えているのに、霞んで、揺らいで、ハッキリと思い出せない。

 まるで、真夏の陽炎のように。


 なのに、雑多な感覚だけが残っている。


 肌を焼く夏の日差し。

 額を伝って流れ、瞳を避け流れ落ちる汗。

 重力に逆らい下から押し上げるような熱気。

 乾き切って砂のように成り果てた土。

 細い雑草を揺らすほどの応援団の合唱。

 そして、鋭く睨みつけてくる相手の瞳。


 見えなかった『どこか』があった。

 掴めなかった『なにか』があった。

 勝てなかった『だれか』があった。


 前世の夏に抉られたまま、彼は来世を生きている。






 西暦2059年、4/11金曜日。


 19歳となった──あるいは、20歳を目前に控えたと言うべきか──風成善幸は、『少子化対策センター国民生産区画』の共用宿舎の一室で目覚めた。


「……んっ……」


 背伸びをして、ベッドを出て、着替える善幸。

 今生の善幸はこの施設で生まれ、この部屋で育ち、この部屋を根城としている。

 純白の部屋は壁四方のほとんどを本棚で埋め尽くされているが、一般的な書籍は本棚の半分もなく、本棚の7割以上を埋め尽くすのは膨大な数の手書き戦術研究ノートである。

 その全てが、善幸の手により書かれたものであった。


 その部屋には、闘争しか無かった。

 人が家族との愛の日々を記録するアルバムを残すように、全ての戦いの記録が丁寧に残されていた。


「今日は……何かありそうだな。なんとなく分かる」


 理屈の及ばない直感で、善幸は何かを察した。

 善幸のこういう勘はほぼ当たる。

 直感に具体性が伴わないため、勘で察知したことに対して完璧・的確に対応できたことはほぼないが。


「靴下どこだっけ……靴下……片方だけあった……こっちも片方だけで柄が違う……これも片方だけ……なんだこのリストバンドみたいになってる穴空き靴下……おっあっちにあるのは揃っ……違う、これは俺の心の迷いが見せた幻……」


 善幸が目もくれない窓の外、遠く彼方、300mほど離れた地点の施設内部で、生産機器が動き始めた。


 『この作品世界における日本』は、少子化による遠くない未来の破滅を避けるべく、人工子宮と提供卵子・提供精子による人工的な子供の製造と、作られた子供達による労働力の構築に踏み切った。

 人道に反する政策であったが、様々な騒動・反発・議論を経て、日本という国の政権支持の盤石さは、それを通せるだけの地力を見せつけた。


 そうして生み出された第一世代の一人が、風成善幸である。

 製造日2039年4月27日、ロットナンバー00000004。

 前世は普通の人間として生まれた善幸だが、何の因果か生まれ変わって人工子宮の親無し子。

 転生者特有の"普通の子供らしくない振る舞い"も、ここでは『かつてない試みで生まれた子供がどういう性格になるかは分からない』という皆の認知によって、上手いこと誤魔化されたのであった。


 様々な反発と社会問題を経て、国民を『生産』するこの施設は国家という構造に受け入れられた、らしい。


 善幸は思う。

 この設定は、作者の性格と心情を表している、と。


「朝飯食ってこよう」


 こうでもしなければ少子化は抜本的に解決しないだろうな、という作者の心情。

 こうでもしなければ自由恋愛主義や教育コストの高騰による未婚増加傾向、ひいては少子化は解決しないだろうな、と考える作者の性格。


 善幸は、この世界の独特の手触りをずっと感じている。

 この世界を生み出した原作者は、人間が人間らしく生きようとする限り、絶対に解決できないことがいくつもあるのだと考えているのだろう。

 それでいて、普通に生きている人間達が人間らしく生きる権利、好きに生きていい権利は、決して侵害されてはならないと考えている。


 だから、人道に反する手法で一気に解決させた世界にした。

 その強引さは、人がこれらの問題を自然に解決できるほど賢明ではないと、原作者が確信しているからなのだろうか?

 あるいは、そういう解決手段を取った後の世界が完全無欠の世界になどならず、作られた子供達は小説を映えさせる苦悩を生み出すだろう、と確信しているからか?

 あまり人を信じてない原作者なんだろうな、と、善幸は考えている。


 この施設と、この施設で生み出された人工の子供達が、原作の設定やストーリーに絡んでいたことを、善幸はそれなりにハッキリと覚えている。


 施設で生み出され、倫理観の薄い子供達に『畜産チャイルド』と呼ばれた人造の子供達が自分の出生に思い悩み、自分が生まれで差別されない場所を求めてネットにのめり込み、Vliverになっていく……そんな物語も原作で読んだ覚えがあったが、その記憶も年月によって薄れつつあった。






 朝食を取りに行こうとした善幸の前に、眼鏡、目の下のクマ、薄汚れた白衣、ボサボサの髪、そしてヘラヘラとした薄気味悪い笑顔が特徴的な男が現れる。


 この男こそが、この施設の一番上に在る男。

 組織構造上、この施設の組織構造においてこの男より偉い人間は、内閣にしか存在しない。


「やあ、やあ、やあ、おはよう。今日も元気だろう? 調子が悪くても報告しないでくれよ。もう君の体調報告書は書き上げたから、書き直すのが面倒なんだ」


「問題はない、心配も必要ない、『先生』」


「おお、おお、それは良かった。ありがたいねえ」


 ペラペラの報告書をヒラヒラと揺らして、『先生』はヘラヘラと笑っていた。


 この施設で生み出された人間は、13歳以下の子らはほとんどがこの『先生』を敬愛しており、18歳以上の者達はほとんどがこの『先生』を嫌悪している。

 この男は、そういう性格をしている。

 無知からは慕われ、倫理からは嫌われる、そういう男だ。


「善幸くんは手がかからなくて助かる、助かる。まるで子供じゃあないみたいだ。ひっひっひっ」


 善幸からすれば、どうでもいいことだが。


「ああ、ああ、思い出した、善幸くんのねぇ、悪口言ってる子達を見かけたよ。やっぱり君、嫌われてるねえ。何も悪いことしてないのにねえ。結果を残して大人から贔屓されてると妬まれて大変だねえ」


「気にすることでもない」


「そうかい? そうかい」


 『先生』は子供に嫌われない。

 子供をモルモット程度にしか思っていないから。

 モルモットに悪口を言う人間など、どこにも居ない。


 『先生』は大人に嫌われる。

 権力と立場を盾にしてずっと同じ地位に居座り、大人に見える人間に対し安全圏から"言わなくていい嫌なこと"を言う。

 一々、神経を逆撫でしにかかる。


 善幸は、『先生』に子供扱いされたことがない。その理由は明白だ。


「先生が人間を嫌いなのは分かるが、無駄に敵を作らずに黙ってた方がいいぞ」


「……君は本当に、いつも見透かしたようなことを言う……一番嫌いなタイプだよ、本気でね……」


「俺は別に君が嫌いなわけじゃない。忠告しているだけだ」


「……」


 何故ならば、『先生』は人間が嫌いだから。

 自分も含めた人間が嫌いだから。

 人間に見える大人が嫌い。子供は猿の一種にしか見えないから特に嫌いではない。


 ゆえに、罪悪感なく子供を作り続けられる。

 国の指示で子供をどう扱うことにも迷いがない。

 人嫌いだから、人道に一切の興味がない。


 大人からの人望が無いが、子供からの人望があり、共感性が極端に低い『先生』は、この施設を最も上手く扱える理想的なチーフでもあった。

 ペットやモルモットや子供のような人間に見えない動物には優しく接するのに、大人=人間には棘のある接し方をしてしまう。そういう社会不適合者の天才というものは、往々にして存在している。


「君に仕事が来てるよ、善幸くん」


「また広告塔か?」


「半分はそうかな」


 薄気味悪く微笑む『先生』が、文字がびっしりと詰まった紙の束を手渡した。


「皆、君に期待しているよ」


 その言葉に、善幸は無意識の内に目を細める。

 人工的に子供を生産し少子化問題を解消するプロジェクトには、2050年に2つの転機があった。


 一つは2050年4月に起きた傷害事件。

 プロジェクトチャイルドの一人が、複雑な生まれを理由として一般小学校でいじめにあい、いじめ加害者になった子供達に暴力を振るった。


 これは『やはり親を持たず工業的に作られた子供は危険である。精神面に問題があり普通の人間と一緒に扱うべきではない。普通に生まれ普通に愛され普通に育てられた人間だけが普通の人間なんだ』という風潮と言論を強めた。


 もう一つは、同年9月から始まった伝説の出来事……11歳のプロジェクトチャイルドが、世界で一番の人気ゲーム競技にて立て続けに個人戦全国制覇・個人戦世界制覇・団体戦全国制覇・団体戦世界制覇を成し遂げたことだ。

 言うまでもなく、善幸のことである。


 これは『新しい試みがかつてない結果を生んだ』『人工の子供は天然の子供を超越するかも』『政府が用意した教育プログラムが優秀でこれを普通の子供にも適用すれば更なる結果が出るかもしれない』『ゲームが上手いだけの子供になど経済的価値はない』などの議論を呼びに呼んだ。

 話題性は『期待』を呼び、プロジェクトはという欲望を呼び寄せ、転生者という存在を計算に入れないままに予算は爆増した。


 善幸が世界を獲った後、国民生産区画の食堂にリクエストコーナーが設置され、そこに入れられたリクエストシートに書かれたカレーやラーメンが食堂に追加された日の子供達の喜びを、善幸はよく覚えている。


「善幸君、君がさ、君がさ。結果を出してる内はこの施設の新製品の子達も食べたいものを食べていられるだろうねぇ。君が頑張ってる内は皆も期待する。でも負けたらどうかな? また同じ生まれの子供達に嫌われちゃうかもだねぇ、君のせいだから」


「……」


「うちの施設の予算は君が打ち立てた期待で成り立ってるからねぇ。新製品が食べるものも、着るものも、遊ぶものもそれで用意してる。君が、もうそれだけで規模縮小するしかなくなるかも。ひっひっひっ」


「仕事の結果は数式に近い。過程に沿った結果になるだけだ。成功しても妥当、失敗しても妥当。変わるのは俺の実力への評価だけだろう、先生」


「ふむ、ふむ。まぁ君はそう考えるか」


 今現在から見て1年後にあたる『2060年の原作開始時点』では、多くの社会問題は緩和・沈静化し、かなり社会は改善されている。

 何故ならば、『見ていてそこまでストレスのない世界で展開される物語。ただし過去回想ではお辛いことが結構出て来る』は、創作の人気文法であるからだ。


 この世界の原作者は、そういう世界の物語を書きたかったのだろうと、善幸は考えている。

 善幸は読み終わった仕事の資料をまとめ、机で紙の端をとんとんと揃えた。


「読み終わった。なるほど、分かった」


「うん、うん。じゃ、行ってきて。配信者とかやるのも大変だろうねぇ。いやー僕なら絶対にやりたくないような仕事だぁ」


「俺はVliver……バーチャルの配信者の事務所に派遣され、契約が更新される限り、そこのVliverと提携して活動する。その間、事務所所属のVliverに可能な限りのゲーム指導を行い、近く行われるストリーマー大会などでも結果を出す。大会で結果を出せば、契約を更新し延長する。企画参加などの提案は事務所から行い、少子化対策センターの認可によって決定される。よって俺は参加予定の大会などを優先できる……大枠の認識はこれで間違ってないか?」


「合ってる、合ってるとも。がんばえ~」


 馬鹿にするような表情と声色で、『先生』はうんうんと頷いた。


「俺は配信がここ数十年のメジャーな娯楽であることは知っているが、疎いぞ」


「じゃあ仕事受けて実地で学んでくれば? 挑戦こそが自分の可能性を知る最も効率の良い手段だと君は知ってるはずじゃあないかね?」


「……」


「特に、君は人に指導したことないだろ? 人を教え育てることはメジャーな人の技能じゃないか。なのに自分の可能性を試してないのかい? 本気で自分の可能性を試してないんじゃぁないか、君」


「……」


「こんなにも大きな自分の可能性を試すチャンス、めったにないってのに君は腰が引けてるのかい? 皆、皆、君に期待してるのにねぇ」


「まさか」


 いつも通りに勝てばいい、なんて簡単な話ではない。


 慣れない配信業への参加。

 人気配信者への配慮。

 素人な配信者を鍛え上げて大会で通用するレベルまで鍛え上げる難易度。

 そして、その過程でこの施設の予算を確保する。


 圧倒的な困難である。

 だからこそ、極限まで己が追い詰められ、その果てに己の可能性の限界が見える余地がある。


「とりあえず明日には一人、明後日には初動で君と一緒に仕事してくれるVliver三人と会えそうって話だから、なんか都合悪かったら自分でやっといてねぇ。僕、君の面倒見ることとか仕事に入ってないからさぁ」


「Vliver、か」


 Vliver。

 バーチャルな肉体に意識をシンクロさせ、インターネットの世界で活動しこの時代においては『現実とアニメの間に生まれた子』と称される者達。

 主流は動画サイトでの配信業であり、生身の人間の配信者と、中の人がキャラクターを演じるアニメのキャラクターの良さを併せ持つという。


 3Dのアバターボディに意識を連結させる技術や、限定的に世界そのものを再現できるオンラインフィールドが実現したこの2059年において、デジタルの競技者とVliverが用いる技術は大きく違わない。


 デジタルなボディを使って人に好かれるように配信をするか、人と熱烈に対戦していくか、違いはそのくらいのものだ。


 だから善幸は、Vliverがどういう技術で配信しているのかは手に取るように分かるが、どういう配信をしてコンテンツと成っているのか、まるでわからないのである。


「仮に、俺が仕事に失敗し、このVliverらが大会で惨憺たる結果に終わったとして、どうなる?」


「さあ、でも、まあ……大して失うものなんてないんじゃないかな。いつものことじゃないか、配信者が大会に負けるなんてさぁ。がっかりした人が数人離れるとか、行儀が悪いアンチがSNSで笑いものにするとかそんなんじゃないかね?」


「……」


「あっはっは、遊んで金貰ってるVliverとかいう人種が勝つことを期待してる奴とか居るのかい? ま、どこかには居るかもしれんがね。配信者とかいう遊び人の一種が本気で勝つために『風成善幸』を呼ぶってのがまず身の程知らずでバカだし、そんなバカが大会で勝てると期待してるファンもバカってもんだろ?」


 『先生』は人間が嫌いだ。だから子供以外は等しく嫌いでバカにする。


 善幸はいつも淡々としていて、表情から内心が読めないからこそ、彼が『先生』の言葉に何を思っているのか、誰にも分からない。


「善き人であればあるほど、幸ある人生を送ってきた者であればあるほど、周囲からの期待を裏切ることを重く受け止める。そういうものだぞ、先生」


「どーーーーーでもいいんじゃないかい? 他人の期待なんてさあ。どうでもいい奴らの身勝手な妄想なんだし、気にする奴がただバカなだけなんじゃない?」


 チカッ、チカッ、と、壊れた照明が瞬くように、善幸の記憶の底が点滅する。


 記憶の断片が浮上する。


 忘れていた陽炎が、記憶の底から脳を刺す。






 夏の日差し。

 砂になりかけた土。

 グローブの革と染み付いた汗の臭い。

 ああ、前世の夏だ、と善幸は実感した。


 前世の善幸の身長は191cm。

 来世の善幸の身長は179cm。

 懐かしい高さの視点に、善幸は安心感を覚える。

 スコアボードは、善幸の前世の所属校が負けてはならない試合に負けたことを示していた。


 善幸は「俺達の負けか」と、どこか他人事のように、喉の奥から絞り出すように呟いた。


 観客席から、はぁ、とため息の音が一つ。


『勝てる可能性もあったと思うんだけどねえ』


 ベンチに近い観客席の声が聞こえる。


『いやいや、七点差だよ。勝てる可能性なんて最初から全然なかったよこれ』


 観客席から、はぁ、とため息の音が二つ。


『期待してたんだけどなあ』


『こんな去年一回戦落ちの学校が勝つと思ってた奴がバカだよ。相手の学校の去年の強さ教えてやるよ、何がすげえかって───』


 期待が腐る音がした。


 ような、気がした。


 可能性の化けの皮が剥がれて、その奥にあったものを名も無き群衆の人達が見て、『こんなものか』と思って、ため息を一つ吐いて、一人、また一人と去っていく。


 前世の善幸は淡々としていて、無表情だった。


 負けても眉一つ動かさなかった前世の善幸の視線の先で、今年が最後の大会だった優しくて面倒見の良い先輩が蹲って泣いていた。


 『お前が来てくれたから甲子園優勝できるかもしれないよ! ありがとう!』と前世の善幸に言っていた先輩が、孤立しがちだった前世の善幸を何度も気遣ってくれた先輩が、泣いていた。


 善幸は表情一つ動かさず、それを見ていた。


 観客席から、また一つ、ため息が聞こえた。






 風成善幸の前世の記憶には、いつも靄がかかっている。


「ハンコは押した。いつも通り、これで俺が仕事を受けた扱いでいいんだな」


「オッケーオッケー。これ契約書だから。善幸君がなんか嫌なことあったら、僕が抗議したら通るようになってるからね。あ、それとも苦難の中でこそ可能性が試せるんだぁ~とかいう理屈でなんも言わない方がいい? どうかな?」


 『先生』の権力に保護された嫌味で、風成善幸が傷ついたことはない。


「俺は、俺の可能性を試すだけだ。どこまでやれるか、どこまで行けるか、どこまで勝てるか……」


 自分の中の可能性以外に、善幸は興味がない。


「教えて、勝てばいい。教えて、勝たせればいい。相手がその辺の子供だろうとVliverだろうと変わらない。俺は俺の可能性を知れるならそれだけでいい」


 そして、自分の可能性を試す場所以外に興味がない善幸を上手く扱えば、『先生』は狡猾にこのプロジェクトの成果を増やし続けることができるのだ。


「善幸君みたいな愚かしさの化身みたいなガキは扱いやすくて助かるよ。ずっと愚かで居てほしいねぇ。ひっひっひっ」


 けれど、そこに一般人が想像するような、悪い大人と利用される子供の構図は存在しない。


「そんなに他人を怖がるな、先生。大人は別にあんたの敵じゃないし、俺はあんたをいじめたりはしない。だから無駄に敵を作らず黙って仕事してろ。俺がどう尽力しようと、あんたの敵をあんたの味方にできる可能性はない」


「……だから嫌いなんだ、お前は……」


 善幸はVliverの基礎知識を学ぶため、一度部屋に戻るべく『先生』に背を向けて歩き出す。


 その背中を、『先生』は視線で貫かんばかりに睨みつけていた。

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