しっ尾4本目 指切りげんまんみたいな

「…ああ。そ、それはおちがいですわ望月もちづきさま。ご安心ください。お考えが分かると言っても、ワタクシが意識して人様の頭の中をのぞいております」

「そうしないとワタクシの頭は人様のお考えでいっぱいです。いくら妖狐と言えども混乱いたしますわ」

 それが本当なら安心できるけど。

「さ…先ほども申し上げました通り、ワタクシペルソナをお守りしておりますの。望月もちづきさまとはからおつきあいがございますわ…お名前は?」

 ええと。それは…つまり……。

「ずっと前から望月もちづきせいを知ってる? ってこと? ですか?」

「そう! さすが看恵みえさまのおまごさま。──お察しがよろしゅうございますわ…お名前は?」

「正しくは…望月もちづきさま看恵みえさまにお守りいただいている、と申し上げたほうがよろしいですわね……ようの身ですから、ご家族の代々のお名前もペルソナの中からうかがっておりましたわ。で…お名前は?」

 たしかに、おばあちゃんから聞いたことがあるような……。同じことばっかり、いっぱい話されて聞き流してたけど…昔から守ってる、としかおぼえてない。

「?? じゃあ…、わたしの名前も知っているはずなのに。──なんで? 聞くの? ですか?」

「…あ…の。さまからは、うかがっていらっしゃらない……?」

「…ええと……多分、聞いてるはずだけど………忘れてます。わたしが」

「…ワ…タクシがなぜ、ペルソナをお守りしているのか……は?」

「…多分……忘れてます。わたしが」

「…ワ…タクシを、いえ…なぜペルソナを看恵みえさまがお守りされているのか……も?」

「…多分……忘れてます。わたしがガガガ」

 なんか、ヤバいかも。おばあちゃんから聞いてたかも、だけど全然、覚えて…いない……。

OHオーウ…ナンということでしょう……ですわ」

「ごごごゴメンなさいゴメンなさい! 帰ったらおばあちゃんに聞き直します!」

 って! ペルソナ、こっそり持ってきたんだった!! 聞けない。

「…よろしいですわ。ワタクシが、ご説明いたします。ですわ」

「よ…ろ…しくおねがいします」

 ああ。わたし、なんてマヌケなの。くらな神社でぎんっていうようから説明されるなんて…これ、なんてお仕置き? バチが当たったのかしら……。

「ンンっ! ではまず、ご自分でお名前をおっしゃっていただかないと、その……お願いを聞き入れることはできません」

「……望月もちづきゆいといいます。けど、どうして?」


「ペルソナが、そ…う…決めましたの。お願いする方……の決意として」


「はあ……決意、ですか」

「で……はゆいさま。次に〝やくそく〟についてお話しいたしますわね……」


「〝やくそく〟? ですか……」

 ……指切りげんまん…ってこと?

やくそく〟って……なに!?

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