第3話 キラキラ光れ!
「ハイオク満タンで! このカード使える?」
ハイテンション男はブランド物の財布から、キラキラ光るVIPマークのついたゴールドカードを取り出した。いろいろ突っ込みたいが、小市民としては・・・このカードの限度額も気になる。
おいくら万円かしら?
薄暗いスタンドの奥では、両手に刃物を持った老婆が微笑んでいた。
ゆっくりと歩いてきた店員さんは、不気味に割れたスイカをかぶっているし…。
「どどど、どうしよう?」
やはり、あたしがまた変なやつらを召喚してしまったようだ。
しかしコナミくんがまったく空気読まない感じでキラキラスマイルを放つと、スイカ男がたじろぐ。
あたしが頭を抱えていると、
「トイレなら、あの奥かな? 行っておいでよ」
スタンド内をキョロキョロ見回して、奥に居た老婆にも、白い歯キラキラ・スマイルビームを放った!
その攻撃を受けた老婆もたじろぐが、なかなか年季の入った悪霊らしく、歯を食いしばるようなそぶりで踏ん張った。
…歯の対決だ。
「なにかのキャンペーンかな? ハロウィーンならカボチャなんだけど」
コナミくんはゴールドに輝くカードをスイカ男に渡しながら微笑みかけた。
「さ、さあ…例のスイカ割り男じゃない?」
「なるほど、あの噂は観光キャンペーンなんだな」
な、わけねえだろ! という突っ込みを全力で飲み込んでいたら、スイカ男はカードを受け取って、困ったように給油をはじめた。
奥に居る老婆は、もうコナミくんを見て震えている。
・・・ああ、やっぱりこの男、ただ者じゃない。
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