第7話妖しい都

重い瞼を開くと、石畳が目に入った。苔が所々みえて、お寺か神社にありそうなだと思った。

体の節々が痛い、でもそれは屋上から飛び降りたとき時のものとは思えない。寝違えたくらいの痛みで何より出血していない。それでもうめきながら、上半身を起こす。


目の前に広がる景色に自分は夢を見ているに違いないと思った。


煉瓦造りの建物が横にも縦にもひしめき合い、まるで一つの塔を形成しているようだ。それは一つだけでなく高さや大きさがバラバラな塔が幾つも天に向かってそびえている。目を凝らしてみると建物の間に今、自分がいる石畳の道が四方八方に走り、塔を締め付けているようだ。

きっとかなり広いのだろうと思った。下から見上げているから全体の広さは分からない。


カツン、カツン


後ろから足音が複数響く。反響しているから近くにいるように聞こえるが、まだ遠くからこちらに向かってくるようだ。安心していいのか、不安に感じればいいのか分からない。なんだかまだ頭がフラフラする。ここはどこなのか。

音の聞こえる方をじっとみてみる。


何かの行列?あの大きなやつらは何?

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