第6話心の絵本
『心の絵本』
表紙にはそう書かれていた。
なんか見たことある絵本。。。どこで見たんだっけ。
表紙を開くと一文だけ。
〈世界があなたのものならば、あなたは何を願う?〉
世界が私のものなら?脳裏にこれまでの日々が蘇る。お腹が決まって痛くなる朝、面倒くさそうな母親の顔、ぐちょぐちょに濡れた上履き、アイツらの歪んだ笑顔、張り詰めた空気。この世界をどうしたいなんてない、私はこの世界から逃げ出したい。どこかに自分の居場所があるだなんて思わない。もう終わりにしたい。そうだ、終わりにしよう。
絵本をパタンと閉じると図書室を後にした。
30分後、教室のベランダから絵本を持ったまま飛び降りた。
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